宝山寺 多宝塔 Hozanji Temple

延宝六年(1678年)、湛海は数人の弟子と生駒山に入り、大聖無動寺と号する寺を開いた。
 その後、湛海は理想の密厳浄土建設を目指し、生駒の伽藍は約十年でほぼ完成、名を寳山寺と改めた。
 この多宝塔は、1957年に建てられたもので、おおむね鎌倉時代の様式で、細部は桃山様式などにのっとって建設されたという。


(仏塔訪問日記)

生駒ケーブル「宝山寺駅」を降りて、寺へと向かう参道には、数多くの旅館があったが、観光客や従業員などには一人も 出会わず、妙に静まり返っていた。
 後で、この宝山寺参道一帯が、古い「新地」であり、現在も立派に、営業しているということを知った。
 しかもここでは、大阪の飛田新地のような顔見世というシステムは無く、その客はほとんどが、年配の常連らしく置屋に 入ってから、電話で女性を手配してもらうシステムらしい。
 当然、客の年齢層に合わせて、来る女性の年齢層も高めだという。
 後にして思えば、旅館の前には『○△産業株式会社御一行様』など、色々な会社名が書かれていた。 いわゆる、バブル期によくあった、「大人の接待」というやつが、今現在でも行われているのだろうか?

そんな遊郭独特の、不気味に静かな参道を歩いて境内に到着。 大岸壁に囲まれた境内は昼間でも静かで薄暗く、独特の雰囲気である。 そんな境内を見下ろす多宝塔は、京都の禅林寺多宝塔と同じく、麓まで行くと狭くて写真に撮りにくいタイプの多宝塔だった。

生駒山山中には、この宝山寺以外に、数多くの密教寺院が存在しており、日本有数の霊山と呼ばれている。


初回訪問&撮影日 2010年02月03日


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交通アクセス

近鉄線「生駒駅」から近鉄生駒ケーブル線「宝山寺駅」下車徒歩10分

駐車場 有

仏塔巡礼ドライブ難易度 ふつう(★★★)

(★)・・・・・・・・・・非常に易しい
(★★)・・・・・・・・易しい
(★★★)・・・・・・ふつう
(★★★★)・・・・難しい
(★★★★★)・・非常に難しい

住所
630-0266 奈良県生駒市門前町1-1
おすすめアクセス方法
公共機関(生駒ケーブル)か自動車、どちらでも問題ない。