鶴林寺三重塔 Kakurinji Temple

伝承では崇峻天皇2年(589年)に、聖徳太子が当時播磨の地にいた高麗僧・恵便のために建立、その後養老2年(718年) 武蔵の大目「身人部春則」が七堂伽藍を整備したという。
 天永3年(1112年)に鳥羽天皇から勅額所に定められ、以来「鶴林寺」と寺号を改めた。
 この三重塔は室町時代の創建だが、江戸時代に大修理が 行われている。近年放火で一部損傷したが1980年(昭和55年)の解体復元修理でよみがえった。


(仏塔訪問日記)

一歩境内に入ると、三重塔以外にも、太子堂(国宝)や、本堂(国宝)など、貴重な建造物のオンパレードといった印象だった。
 一通り建築物の写真を撮った後、出て行こうとすると、受付のおばさんが、「もう帰るんですか?宝物館も是非観て行って下さい」。 と呼び止めてきた。

「雨降る平日の昼間に、男が一人で寺に来てたら、いやでも目につくんだな〜・・・」。などと思いつつ、宝物館へ。 そこでは数多くの重要文化財の彫刻、工芸品等が所狭しと並べられていた。
 その中でも、『金銅聖観音像』は、白鳳時代の傑作である。
 この『金銅聖観音像』は、通称『あいたた観音様』とよばれる。その昔、盗人がこの観音像を盗みだし、溶かして一儲けを たくらんだが、なかなか溶けない。業を煮やした盗人は、像を槌で叩いたところ、 「アイタタ・・・」という観音様のお声が・・・。それに驚いた盗人は、像を返して改心した。観音様の腰の曲がりはその時にできたものである ・・・という伝説にちなんでいる。
 こういう伝説があるからかどうなのか、鶴林寺では過去に何度も、貴重な寺宝が盗難や放火の被害にあっている。
 そういう救いようのない悪党たちは、もはや、改心させる価値もないと、アイタタ観音様も嘆いておられるかもしれない。


初回訪問&撮影日 2010年05月10日



本堂(国宝)



太子堂(国宝)


交通アクセス

JR「加古川駅 」から加古川市ゾーンバス「鶴林寺」下車、徒歩すぐ
JR「加古川」駅 から加古川市ゾーンバス「北在家東口」下車、徒歩5分
JR「加古川」 駅より徒歩15分
山陽電鉄本線「尾上の松駅」下車、徒歩15分

駐車場 鶴林寺公園駐車場あり

仏塔巡礼ドライブ難易度 非常に易しい(★)

★1つ→非常に易しい
★2つ→易しい
★3つ→ふつう
★4つ→難しい
★5つ→非常に難しい

住所

〒675-0031 兵庫県加古川市加古川町北在家424
おすすめアクセス方法

どのアクセス方法でも問題ない