国宝 孝恩寺 観音堂 大阪府貝塚市


孝恩寺
観音堂
国宝
鎌倉時代後期

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(歴史)

孝恩寺は、神亀3年(726)、聖武天皇の勅願を受け、僧行基によって建立されたとされる、機内四十九院の一つに 数えられる寺院である。
 現存の観音堂は、鎌倉時代後期に再建されたもので、大阪府下で最古の部類の木造建造物として、明治36年に 国宝に指定された。
 建立時、釘を使用していなかったことから、別名釘無堂と呼ばれている。
 孝恩寺にはまた、平安時代中期の本尊阿弥陀如来をはじめ、地方色豊かな19体の仏像群が安置され、 重要文化財に指定されている。


実験的企画 国宝建築評価チャート図

国宝建築の能力値をサイト管理人が独断と偏見で点数化

(※)評価基準

○歴史 建造物の建立された年代の古さを点数化したもの。
 飛鳥時代以前(20点)、奈良時代(19点)、平安時代(18点)、 鎌倉時代(17点)、南北朝時代(16点)、室町時代(15点)、戦国時代(14点)、安土桃山時代(13点)、江戸時代前期(12点)、 江戸時代後期(10点)、明治時代(8点)、大正時代(6点)、昭和時代前期(5点)、昭和時代後期(3点)、 平成時代以降(1点)

○迫力 建造物の巨大さ、あるいは見た目の迫力を点数化したもの。

○美しさ 見た目の美しさを点数化。

○希少性 その意匠や形式などが同じ分類である建造物の現存例の少なさを点数化。

○おすすめ度 管理人のおすすめ度を点数化。主に観光満足度、その他、インパクトなどを重視。

以上はすべて、正式なものではなく、管理人の独断と偏見による評価である。


(国宝建造物訪問日記)

この日は、嫁さんが出産の準備として岸和田市の実家に里帰りしていて、その様子を見るために岸和田市方面に行くついでに、 国宝『観音堂』を有するこの『孝恩寺』に立ち寄ってみた。
 同じ大阪府内在住の私としては、非常に気軽に行ける場所であるが、色々なサイトでこの寺院について述べられているのを見て、 「個人の住宅のような場所の庭に、国宝の観音堂があって入りづらかった」という意見を多く見受けられたので、多少緊張しながら寺院駐車場に到着した。
 私は恐る恐る門の方へ向かったのだが、入口には親切にも、寺院の歴史が詳しく書かれた立て看板が立っており、 門につづく非常に綺麗な階段も整備されていた。
 だから、入りづらいどころか、参拝客に気持ちよく拝観してもらおうという寺院管理者の気持ちが伝わり、 私は気持ちよく参拝することができた。
 寺に入ると、狭い庭の奥に、国宝・観音堂が、堂々と建っていた。
 この観音堂。 観光地でもなんでもない住宅地の中にある民家風寺院に、しれ〜と建っている印象だが、 鎌倉時代後期建立と、先週行った東北旅行で見たどの建造物よりも古くて貴重なもののようだ。
 もしこの建物が他県にあれば、間違いなく観光地として、建物を拝観するだけでも参拝料を取れるレベルのものだろう。  しかし、奈良や京都がある関西地方においては、このぐらいの古い建物は、それほど珍しくない。
 しかも、こういう住宅地や、何もない山間部などにポツンと、超貴重な建物が建っているのは、関西の中でも特に、大阪府でよく見る風景だ。


初回訪問日&撮影日 2012年11月18日

(※国宝建造物撮影ポイント)

建物外観は自由に撮影可能


@孝恩寺山門

入口の石塔には『釘無堂』と彫られている。 観音堂は、もともと、釘を一本も使用せずに建造されたことから、 別名で『釘無堂』と呼ばれている。


A上部に相輪がある建物

孝恩寺境内は非常に狭く、国宝観音堂以外の建物はこの建物ぐらいだった。


B観音堂(国宝)

平安時代初頭までに七堂伽藍が揃っていたが、室町時代に山名氏や大内氏らの戦火に巻き込まれ大半の建物を焼失、 安土桃山時代には根来寺の傘下にあったがために、天正13年(1585年)、 豊臣秀吉の紀州攻めで、この観音堂以外のほぼ全ての建物を焼失した。  この際に、仏像を薬師池に沈めて消失を免れた、という逸話があるそうだ。


C外から見た観音堂(国宝)

観音堂は「木積の釘無堂」と呼ばれ、鎌倉時代の密教建築様式を伝える貴重な建造物である。  ただし、釘を一本も使わない建造物は、観音堂に限ったわけではなく、その点に関しては、 それほど珍しくはないそうだ。

アクセス
水間鉄道水間線 水間観音駅から水鉄バス「蕎原」行きで5分、「釘無堂」下車、徒歩すぐ

駐車場 有

仏塔巡礼ドライブ難易度 易しい(★★)

★1つ→非常に易しい
★2つ→易しい
★3つ→ふつう
★4つ→難しい
★5つ→非常に難しい

仏塔巡礼おすすめアクセス方法
自動車によるアクセスがおすすめだが、駐車場はそれほど広くないので注意である。

住所
大阪府貝塚市木積798


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