如意寺はインド僧の法道上人が開き、孝徳天皇の勅願寺となり伽藍が建てられたという。
　近世以降はその管理者も無く衰え、この地を神戸市の一部に編入する時の調査でようやくその存在を知られ、荒れ果てた堂塔３基 は急遽修復され、重要文化財に指定されたという経緯を持つ。

（仏塔訪問日記）

神戸市営地下鉄、西神南駅からサンライズハイキングコースで20分程度歩けばたどり着ける。

駅を降りるとまず目についたのが、西神南ニュータウンの新しいマンション郡や運動広場である。 一見どこに、兵庫県下で二番目に古い三重塔を有する古寺があるのかと、目を疑いたくなるような町並みだったが、 運動広場の向こうに小高い山があり、そこを歩いて越えて向こう側に行くと、周囲の風景は、田園風景に一変した。

その田園の向こうに、この一角だけ時間がタイムスリップしたかのような、古い仏塔と山門が忽然と姿を現した。

境内に入ると私達以外誰もおらず閑散としていたが、丘陵に堂々とそびえる三重塔は、中世からの長い時間の響きを現在に伝えているようであった。

サンライズハイキングコース内のベンチには、落書きや火で燃やされた跡があり、 そういうことする人物が、間違ってもこの貴重な伽藍に、いたずらとかしないことを願ってやまない。