如意輪寺多宝塔 Nyoirinji Temple

如意輪寺は、延喜年間(901年〜922年)に日蔵上人による開基と伝わる。 南北朝時代には、後醍醐天皇の勅願所とされ、還京叶わぬまま崩御して本堂裏山に葬られた。
 この多宝塔は大正時代に再建されたものであるが、元々の塔がいつまで現存していたかは、 はっきりしないようである。


(仏塔訪問日記)

吉野山の道はかなり狭い。だから、下千本駐車場に車を止めて、金峯山寺東南院を経て、山道を歩いてこの如意輪寺へ来た。
 かなりの距離だったが、向かいの山から見える、山間の多宝塔は絶景で、体力に自信があるなら徒歩での参拝をお薦めしたい。

到着して宝物殿などを見ると、ここはあの後醍醐天皇が葬られた寺院だと知った。

とかく世の権力者達に利用されることが多かった歴代天皇たちの中で、自ら率先して鎌倉幕府を滅ぼした後醍醐天皇は、天皇の中でも異質 な存在といえるだろう。
 その異端ぶりは、結果として尊氏らの裏切りをまねき、吉野のこの地に追いやられる結果となってしまったが、 楠木正成・新田義貞ら忠臣を、最後まで従えたカリスマ性を持っていたのも事実ではないだろうか。

天皇家の墓陵としては唯一北向きとなっており、最後まで京都に戻ることを夢見た、 天皇の深い思いがしのばれる。

多宝塔前方にはしだれ桜がはえており、開花の時期にも是非、来てみたいものである。


初回訪問&撮影日 2010年05月08日



山門

如意輪堂(本堂)

楠正成像

山の向かいから遠景
交通アクセス

近鉄「吉野駅」からロープウェイ「吉野山」下車徒歩40〜50分

駐車場 有

吉野山下千本駐車場から徒歩45分〜55分

仏塔巡礼ドライブ難易度
寺の駐車場まで直接行く場合は(★★★★★)
下千本駐車場までなら(★★)

★1つ→非常に易しい
★2つ→易しい
★3つ→ふつう
★4つ→難しい
★5つ→非常に難しい

住所

奈良県吉野郡吉野町吉野山1024
おすすめアクセス方法

自動車か公共機関どちらでもいいと思うが、桜の時期は吉野山内の狭い道が大混雑するので、 公共機関で来た方がいいだろう。

自動車で来る場合、下千本駐車場にとめたら、かなりの距離を歩くことになるが、 途中で金峯山寺や、東南院、吉野の観光地街など見所が多いので、充実したハイキングコースにはなる。

寺の駐車場まで直接来る場合は、対向困難な道が続く上に、車や人が多いので難度が高めだが、運転に自信があるなら その方が楽だろう。