国宝 正倉院 正倉 奈良市


正倉院
正倉
国宝
756年頃

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(歴史)

正倉院「正倉」は、もともと東大寺の正倉で、奈良時代から宝物を収蔵してきた宝庫である。  それは、檜造り、単層、寄棟本瓦葺きで高床式の構造を特徴とする。  間口約33m、奥行約9.4m、床下約2.7m、総高約14mの規模を誇り、床下には直径約60cmの丸柱が自然石の礎石の 上にどっしり立ち並んで、その巨大な本屋を支えている。
 建造された年については、明確な資料等が無いので不明であるが、遅くとも天平宝字3年(759) 3月以前に出来上がっていたと見られている。
 その内部は3室に仕切られており、正面向かって右から、北倉、中倉、南倉と呼ばれ、 各倉とも東側の中央に入口があり、内部は二階造りになっている。 建物の構造は校倉造りである。


実験的企画 国宝建築評価チャート図

国宝建築の能力値をサイト管理人が独断と偏見で点数化

(※)評価基準

○歴史 建造物の建立された年代の古さを点数化したもの。
 飛鳥時代以前(20点)、奈良時代(19点)、平安時代(18点)、 鎌倉時代(17点)、南北朝時代(16点)、室町時代(15点)、戦国時代(14点)、安土桃山時代(13点)、江戸時代前期(12点)、 江戸時代後期(10点)、明治時代(8点)、大正時代(6点)、昭和時代前期(5点)、昭和時代後期(3点)、 平成時代以降(1点)

○迫力 建造物の巨大さ、あるいは見た目の迫力を点数化したもの。

○美しさ 見た目の美しさを点数化。

○希少性 その意匠や形式などが同じ分類である建造物の現存例の少なさを点数化。

○おすすめ度 管理人のおすすめ度を点数化。主に観光満足度、その他、インパクトなどを重視。

以上はすべて、正式なものではなく、管理人の独断と偏見による評価である。


(国宝建造物訪問日記)

奈良県の東大寺へは、国宝巡りを始めたかなり初期の頃から何度も足を運び、ほとんどの国宝建造物は拝観済みだった。  しかし、この正倉院正倉だけは、長い間工事が行われていたため、ずっと拝観することができずにおり、 最近やっと工事が終了したために、今回、初めてその外構を拝観することができたわけである。

ところでこの日、私は、正倉院正倉を拝観できたことにより、奈良県下の国宝建造物(2015年01月16日現在指定分) すべての拝観を終えたことになった。  奈良県内の仏塔に関しては、国宝、重文、無指定すべてをひっくるめて、かなり前にすべて拝観済みだったので、 これで奈良県内の私が行きたい場所は、すべて行き尽くしたことになる。
 思えば、私が仏塔巡りや国宝建造物巡りを始めたのは、奈良県宇陀市の国宝・室生寺五重塔の美しさに魅せられたのがきっかけだった。  それから6年間、奈良県内や近畿圏内の他の仏塔、国宝建造物を皮切りに、日本全国に範囲を広げて、 各地の素晴らしい建造物を見てきたが、今、どの都道府県の建造物が一番素晴らしかったかと聞かれれば、 やはり、初期に巡った奈良県内の古建築の数々であったと答えるだろう。
 いや、正直言って、奈良県内の古建築群に対しての、他都道府県のそれらでは、はっきり言って比較対象にすらならないと 言ったほうが正しいかもしれない。 何が比較対象にならないのかというと、それは、 木造建造物の「歴史の古さ」である。  奈良県内には、正倉院正倉他、奈良時代に建立された建造物が多数現存する上、 さらには法隆寺西院伽藍や、法起寺三重塔といった飛鳥時代建立という、気の遠くなるような古さの木造建造物まで現存している。
 他の都道府県には、飛鳥時代や奈良時代建立の木造建造物など、どこを探しても現存していない点からも、 そのレベルの高さが分かる。  奈良以外の都道府県で一番古い木造建造物は、京都の醍醐寺五重塔だが、それでも平安時代中期の951年建立である。  しかも、平安時代建立の建造物の数は、すべての都道府県のものを足しても10棟にも満たず、奈良県内にある 平安時代建立の木造建造物と同程度の数しか現存していない。  奈良県の古い木造建築群は、その数、質(歴史的価値)とも、他都道府県を圧倒的に凌駕しているのだ。

古来から日本建築は木造文化である以上、火災の影響を受けやすく、また壊れやすいため、長い歴史の中で、 失火や災害、戦火、あるいは、廃仏毀釈などによる蛮人たちの手により、あっけなく失われてきた。
 奈良の建造物も例外ではなかったが、それでもこれだけの貴重な歴史遺産の数々が現存していることは、 ある意味、奇跡といえる。
 それは、廃仏毀釈の際に、興福寺五重塔をたった2円で売りに出し、薪にしようとした信じられないような蛮人に、 必死に抵抗してそれを阻止した庶民たちのように、歴史遺産を大切にしてきた奈良の先人たちの、絶え間ない努力があってこそなのだと言えるだろう。


初回訪問日&撮影日 2015年01月16日

(※国宝建造物撮影ポイント)

建物外構正面は自由に撮影可能。 平日のみ。






アクセス
近鉄奈良駅から徒歩約25分または奈良交通バス「今小路」から徒歩約8分

駐車場 無 周辺の有料駐車場を利用

仏塔巡礼ドライブ難易度 非常に易しい(★)

★1つ→非常に易しい
★2つ→易しい
★3つ→ふつう
★4つ→難しい
★5つ→非常に難しい

仏塔巡礼おすすめアクセス方法
どのアクセス方法でも問題ない

住所
奈良市雑司町129


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