833年、淳和天皇の勅願寺として空海（弘法大師）により開創された。本尊は十一面観世音菩薩。
　この多宝塔は、1階納骨堂の上に建っており、金剛界大日如来・不動明王・愛染明王を安置している。

（仏塔訪問日記）

この鷲林寺の名前は、寺伝によると弘法大師がこの地で、｢ソランジン｣と呼ばれる火焔を吹く大鷲を、桜の霊木に封じ込めて、 本尊十一面観音像並びに、伽藍守護神鷲不動明王を刻んだことに由来するという。
　弘法大師様の武闘派な一面が垣間見れる伝説である。
　他にも武田信玄が僧侶になるために得度をし、その頭髪を埋めたという伝説がある七重石塔があるなど、歴史がある寺院のようだ。

この日私は、大阪市内で午前10時に用事があり、午後1時30分まで3時間30分程度の時間が余ったので、大阪市内から西宮市まで 車で足をのばし、この鷲林寺と、神呪寺、そして善導会五重塔の三箇所を巡ってみることにした。

なかなかハードスケジュールで、一つ一つの寺院にゆっくり滞在というわけにはいかなかったが、納骨堂の上に鎮座する本格的な 造りの多宝塔は、なかなか見応えがあった。