開基は法道であり、白雉2年（651年）、孝徳天皇の勅願で創建したとされている。 その後長い歴史の中で、何度か火災に遭い、再興されてきたが、現在の本堂は、貞享4年（1687年）の修理の際に建て替えられたものである。
　多宝塔は、宝永6年（1709年）の建立。

（仏塔訪問日記）

この日は岡山の寺院に行った帰りに立ち寄ったのだが、駐車場から境内までそこそこ離れていて、かなりの段数の石段も上らなければならな かった。

こじんまりとした寺院を想像して軽い気持ちで立ち寄ると私のように、少しではあるがしんどい思いをするので注意が必要である。

平日だったからか、私以外の人物は全くおらず、シーンと静まり返った境内を行くと、本堂の左側上方に一際派手に彩色された多宝塔が 目に飛び込んできた。
　先に地味な色の仁王門や本堂を見ていたので、その極端に派手な朱色の多宝塔にはかなり、 意表を突かれてしまった・・・。

おそらく和歌山県の紀三井寺多宝塔などと同じく、後年に塗り替えられたものであろうか？多宝塔には、最初から彩色などせずもともとの 木の色のままのものと、何十年いや、何百年かに一度彩色をしなおす、この奥山寺多宝塔のようなものの二種類があるようだ。