指定無 白浜金閣寺 多宝塔と五重塔
(和歌山県西牟婁郡白浜町太刀ケ谷3183)


白浜金閣寺(独立大本山修身院)
多宝塔
高さ不明

五重塔
23m

共に指定無 昭和51年(1976)建立

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(歴史)

金閣寺は、中谷浄道氏が仏門に入り、発心し、生涯かけて得られた財を投じて建立された寺である。
 当初は中谷氏の名前をとって浄道寺と称していたが、独立大本山修心院白浜金閣寺に名称を変更。
 現在は閉鎖中である。
 五重塔は、鉄筋コンクリート製で、拝殿があり、その全面には菊の紋が配されている。
 塔内部には、神風特攻隊員4379柱の英霊が祀られているのだという。


(仏塔訪問日記)

この日は田辺市の高山寺多宝塔を見学後、さらに白浜金閣寺を目指して、白浜方面へ車を走らせた。
 ただし、白浜金閣寺は現在閉鎖されており、再オープンの予定もないということである。  だから中に入ることは出来ないが、五重塔と多宝塔に関しては、山門のあたりから見ることができるらしかったので、 近づけるだけ近づいて、その2基の仏塔を、望遠で撮影しようと考えたわけである。

白浜の美しい海を横目に見ながらドライブし、霊泉橋東詰の交差点を左折すると、早速、 小高い山の上に建つ2基の仏塔が見えてきた。
 私は車でどんどん近づいていき、山道にさしかかったのだが、なんと途中で倒木が道路を塞ぎ、 それ以上車で行けなくなってしまった。
 しかしここまで来てそのまま引き返すのもシャクである。 倒木の前に車を停め、そこからは歩いて行くことにした。
 すると、案外すぐに山門に到着。
 とりあえずは、山門や五重塔を撮影し、引き返そうとすると、 突然、私に向かって、山門の前にいた一匹の犬が吠えてきた。
 おそらくこの寺で飼われている犬だろうか?
 私は目を合わせないようにして回れ右し、車をとめた場所へ向かって、早歩きで 戻っていったのだが、犬の鳴き声がどんどん近づいてくるのに殺気を感じ、門の方を振り返ると、 なんと、その犬は放し飼いで、私の位置から5メートルくらいの距離まで近づいてきていたのである。

面白半分に廃墟の写真を撮りに来た・・・、もとい、仏塔の写真を撮りに来た、中年男が犬に噛まれてケガをするなんて、 笑い話にもならない。 私は後ろを振り返らないようにして忍び足で車の場所へ急ぎ、倒木を飛び越えて車に到着すると、 スルリと車内に滑り込んだ。
 そして冷や汗を拭いながら車の窓から後ろを振り向くと、既にその犬の姿は無く、 道路に遮る倒木だけが静かに横たわっていた。

とりあえずは外から仏塔の写真を撮るという目的を達した私は、さっさと車を走らせ、その場を離れた。
 肝心の仏塔の感想だが、私は、この『白浜金閣寺五重塔』は、以前に行った、 淡路島の『平和観音寺十重塔』や、
 滋賀県の『佐和山遊園五重塔』に似た匂いを感じた。
 それら3塔は、実業家が建てたが現在は廃墟、あるいは廃墟に近い状態である点や、塔そのもののクオリティーの低さなど、 共通点が多い気がする。 そして何よりも最も共通する点は、一度来たら、もう二度と来たいとは思わない点だ。
 だからそれら三つの仏塔を、あえて『日本3名塔』になぞらえて、『関西3迷塔』と、勝手に呼ばせてもらうことにする。
 まだまだ日本全国には、『関西3迷塔』を超える『迷塔』が存在するのだろうか?
 それを探すのを目的に旅をしたいとは思わないが、どっか行ったついでに、 そういった『迷塔』も見学していきたいとは思う。

ところで、わざわざ白浜まで来て、まさかこの白浜金閣寺だけを見学して帰るなんてあまりに勿体無い。
 そこで、自殺の名所としても有名な『三段壁』へ行き、見学してみることにした。
 なぜ『三段壁』なのかというと、これは犬に追いかけられたことを悲観して、 その身を投じようとしたというわけではもちろんない。
 中年男一人で白浜観光する場合、海へ泳ぎに行ったり、 『南紀白浜アドベンチャーワールド』へ動物を見に行ったりするよりは、『三段壁』を一人で見学したほうが、 クールな中年オヤジとして自然かと思ったからだ。

『三段壁』とは、和歌山県西牟婁郡白浜町にある自然景勝地であり、南紀白浜温泉『崎の湯』の1.8km南の海に直立する長さ2km、高さ50m〜60mに及ぶ柱状節理の大岩壁で、断崖絶壁の名勝として知られている。
 また福井県の東尋坊とともに自殺の名所としても知られ、以前より減ったとはいえ、現在でも年に10人以上は、 この崖で身を投じる者がいるのだという。

『三段壁』は所々で柵がしてあるが、柵が無い場所に関しては、自己責任で、崖のギリギリまで歩いていけるようになっている。
 照り返す太陽の下、私は『少しでも迫力のある写真を撮ってみたい・・・』という欲心から、汗だくになりながら、崖先目一杯まで行ってみようとした。  しかし、もしそんなしょうもないことをして、あやまって滑り落ちてしまおうものなら、さっきの白浜金閣寺で犬に噛まれるどころの騒ぎではないだろう。
 私は若いカップルが崖のギリギリで記念写真を撮っているのを横目に、熱気で蒸し返す三段壁を後にした。


初回訪問日&撮影日 2015年07月19日


@山の麓から遠望で撮影

どのみち中には入れないのだから、この写真だけでも十分だったかもしれない。


A山門前から撮影

山道の途中で倒木が道をふさいでいたので、そこに車をとめ、徒歩で到着。


B山門

二体の仁王像は、イラストで描かれたもの。 閉鎖中のためこれより先へは進めない。  ここで写真を撮っていると、突然、門の前にいた犬が吠えながら追いかけてきた。  皆さんも面白半分でこういう場所に来るのはやめよう。


C山門前から見上げた五重塔

屋根の反りや、相輪部分など、さすがに平和観音寺十重塔や、佐和山遊園五重塔よりは、クオリティーが高い気がした。  しかし営業していた当時から、スズメバチが巣を作ったりで閉鎖されていたらしい。


D三段壁(白浜金閣寺とは無関係)

まさか、白浜まで来て、白浜金閣寺だけ見て帰る人などいないだろう・・・。  せっかくだから、名勝・三段壁までやって来た。


E三段壁

この日は焼けるような暑さだったが、観光客、特に中国人観光客が多数いた。
 最近行った、阿部野ハルカスや、天王寺動物園、海遊館、姫路城なども中国人観光客が多かったが、 まさかこの三段壁までも、中国人たちに日本の観光地として認識されているとは驚きである。


F逆方向から見た三段壁

せっかくなので、岩場まで歩いて行った。 青い空に断崖絶壁の絶景は壮観で、申し訳ないが、 先ほどの白浜金閣寺のことなど、とうに忘れてしまっていた。


G崖の先端ギリギリまで行って撮った写真

チキンな私はここまでが限界。 ここよりあと2メートルほど先に行くと、 真っ逆さまに地獄へ落ちていくだろう。

白浜金閣寺への交通アクセス
JR白浜駅より明光バスで古賀浦バス停にて下車後徒歩

駐車場スペースは有

仏塔巡礼ドライブ難易度 ふつう(★★★)

★1つ→非常に易しい
★2つ→易しい
★3つ→ふつう
★4つ→難しい
★5つ→非常に難しい

高山寺へのおすすめアクセス方法

自動車によるアクセスが望まれる

住所
和歌山県西牟婁郡白浜町太刀ケ谷3183


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