石手寺(奥の院) 多宝小塔 Ishiteji Temple

石手寺は四国八十八箇所51番礼所であり、寺伝によれば728年に勅宣により大領・越智玉澄が伽藍を創建したという。
 特にその二王門は鎌倉期の傑作とも言われ国宝に指定されているほか、三重塔をはじめ、数多くの重要文化財を有する。


(仏塔訪問日記)

日本有数の古刹として有名な石手寺だが、本道裏のマントラ洞から先に進むと、日本有数のB級スポットの雰囲気に一変する。

マントラ洞内を通って奥の院へ進むと、朽ち果てた意味不明な像の数々が・・・。そして一番奥には『マントラ塔』と 呼ばれる黄金の建造物があり、その中に入ると数多くのトーテムポール・・・もとい、仏像に囲まれた、神々しい多宝小塔があった。

こんな場所で仏塔に出会えたのは予想外で、ちょっとだけ嬉しかったが、正直、早くこの不思議空間を離れたい気分だったので、 早々に写真を撮って、早足で建物から出た。
 すると、外で苔むしりをしていた人が声をかけてきて、ありがたい(?)お説法を始めてくださった ・・・。

その人は、一年くらい前から石手寺に住み込みをして働いているとのこと。
 とかく人は、世間体を気にして、金銭や社会的地位など、見せかけの豊かさを 求めるが、引き篭もろうが、浮浪者になろうが、刑務所に入ろうが、その人の気持ちの持ちようによっては、幸せなんだという話など、 いくつかの有難い話をしてくださった・・・。

話が一時間近くも続いたおかげで、その後予定していた、香川県善通寺参拝などは絶望的になってしまった・・・。
 しかし、観光の予定が狂うことなんて、長い人生においては、ほんの些細なことで、気持ちの持ちようによっては、この『石手寺奥の院』の 不思議空間(?)を ゆっくり堪能できて、本当によかったのだと、心の中の自分に、散々言い聞かせながら、 奥の院を後にした。

上を見上げると、山上の巨大弘法大師像が、どこまでも続く遥かなる青空を見つめていた・・・。



初回訪問&撮影日 2011年03月28日


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@地獄への・・・もとい、マントラ洞の入り口

A中は照明等があまり無く、手探りで進む。 無造作に
置かれた位牌や像、仁王の壁画などが参拝客をお出迎え

B真っ暗な洞窟内でカメラのフラッシュをたくと、
数多くの意味不明な像や位牌などが浮かび上がる。

C狭くて暗い洞窟内では、ロープを張ったお地蔵様ポールだけが頼り。

Dマントラ洞の出口。駐車場側の車道へ出る。

E奥の院へは閻魔大王様がお出迎え・・・
ってことは、やはりここは地獄だったのか?

Fなぜか放し飼いのにわとりが・・・。

G展示されている像の数々は、
手入れされておらず、荒れ放題。

H奥の院の奥にたたずむ座像・・・う〜ん、ノーコメント。

I奥の院の最後まで行き着くと、マントラ塔 があり、
 中に入ると予想外の多宝小塔が・・・。

J遥か山上に鎮座する巨大弘法大師像は
一体何を見つめる?

Kこのまま帰ったら、あまりにも後味が悪すぎるので
もう一度三重塔を見に境内へ戻ってしまった・・・。
奥の院の後に見ると、一層、威厳に満ちたものに見える。
交通アクセス

JR予讃線「松山駅」から伊予鉄道バス「石手寺」下車徒歩3分

伊予鉄道「道後温泉駅」より徒歩15分

駐車場有

仏塔巡礼ドライブ難易度(★★★)

(★)・・・・・・・・・・非常に易しい
(★★)・・・・・・・・易しい
(★★★)・・・・・・ふつう
(★★★★)・・・・難しい
(★★★★★)・・非常に難しい

住所
〒790-0852 愛媛県松山市石手2-9-21
おすすめアクセス方法

どの交通手段で来ても問題は無い。
私は自動車で行ったのだが、巨大寺院の割には駐車場がアスファルト等で整備されておらず、 一見、雑草が生い茂った広場にしか見えなかった。