海龍王寺 五重小塔
国宝
(奈良時代前期)
4.0m

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海龍王寺 五重小塔 Kairyuoji Temple

飛鳥時代に毘沙門天を本尊として建てられた寺院を、天平3年(731)年に光明皇后により海龍王寺として改めて創建された のを由来とするこの寺院だが、その後盛衰の歴史を繰り返して、現在に至っている。
 この五重小塔は、創建当時から西金堂内に安置されており、細部は天平時代のかなり早い時期の手法を用いて造られていることから、天平時代の建築技法を現在に伝え、塔の建築様式の発展をたどる上にも非常に重要である。


(仏塔訪問日記)

私が参拝した日は、本堂内で熱心にお祈りをする、老夫婦しかおらず、 小さく閑散とした印象のお寺だった。

元々五重塔は人が中に入ったり登ったりするものではないので、4mと模型のように小さなこの塔も紛れもなく五重塔だといえる・・・ いや、それどころか、国宝であるこの塔は、どんな巨大な五重塔をも凌駕するほど荘厳で緻密な印象を受けた。

飛鳥天平から続くこのお寺は、応仁の乱などで一時は衰退の一途をたどり、廃仏毀釈ではあろうことか、 もう一つの小塔が納められていたであろう貴重な東金堂を初め、多くの什器が破壊された。

時代の波に翻弄され続けたこのお寺も、昭和に入って修理、復興等がなされたようだが、 日常の維持管理に関する自治体からの補助は一切無く、全て拝観料の収入で行っているようである。

この長い日本の歴史における貴重な財産を、一人でも多くの人々が拝観し、後世に残していってもらいたいものである。



初回訪問&撮影日(2010年1月8日)


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実験的企画 国宝建築評価チャート図

国宝建築の能力値をサイト管理人が独断と偏見で点数化

(※)評価基準

○歴史 建造物の建立された年代の古さを点数化したもの。
 飛鳥時代以前(20点)、奈良時代(19点)、平安時代(18点)、 鎌倉時代(17点)、南北朝時代(16点)、室町時代(15点)、戦国時代(14点)、安土桃山時代(13点)、江戸時代前期(12点)、 江戸時代後期(10点)、明治時代(8点)、大正時代(6点)、昭和時代前期(5点)、昭和時代後期(3点)、 平成時代以降(1点)

○迫力 建造物の巨大さ、あるいは見た目の迫力を点数化したもの。

○美しさ 見た目の美しさを点数化。

○希少性 その意匠や形式などが同じ分類である建造物の現存例の少なさを点数化。

○おすすめ度 管理人のおすすめ度を点数化。主に観光満足度、その他、インパクトなどを重視。

以上はすべて、正式なものではなく、管理人の独断と偏見による評価である。

アクセス

住所
奈良市法華寺北町897

JR奈良駅または近鉄奈良駅から奈良交通バス
「大和西大寺駅・航空自衛隊前行」に乗り、「法華寺前」下車すぐ

または近鉄新大宮駅から徒歩15分

駐車場あり


仏塔巡礼ドライブ難易度 易しい(★★)

★1つ→非常に易しい
★2つ→易しい
★3つ→ふつう
★4つ→難しい
★5つ→非常に難しい

仏塔巡りおすすめアクセス方法
駐車場があるので自動車が行きやすい。
ただし、駐車場が小さいので少し分かりづらいかもしれない。
バスの場合、一時間に2本程度の割合で出ている。

新大宮駅から徒歩コースの場合、時間と体力に余裕があるなら、
不退寺や平城京跡などを散策コースに盛り込んで もいいかもしれない。


より大きな地図で 日本国宝&重文指定仏塔マップ を表示