(歴史)
陸奥国分寺は、仙台市内に現存する寺院の中では最も古い寺院である。
奈良時代に聖武天皇の詔で全国に建てられた国分寺のうち、最北に位置したのが、この陸奥国分寺である。
草創期の伽藍には金堂・講堂・七重塔などがあったが、1189年の戦火の影響で焼けた後、没落。
薬師堂を中心とする現在の伽藍は、江戸時代初頭、仙台藩の祖となった伊達政宗によって再建されたものである。
この多宝塔は、昭和57年(1982)11月に落成された。 正式名称は「六大法身塔」であり、略称「大塔」と呼ばれており、
大日如来を祀っている。
(仏塔訪問日記)
この日友人とレンタカーを走らせ、孝勝寺五重塔の後に来たのが、この陸奥国分寺多宝塔である。
陸奥国分寺といえば、重要文化財の薬師堂が有名であり、メイン建造物と言えるだろうが、私たちのように、
この新しい多宝塔を目当てで来る人はあまりいないだろう。
というのも、宮城県内にある仏塔や、100名城、国宝建造物は、山形県内と違って、仙台市内とその周辺エリアにかなり
集中している。
せっかく関西からこんな遠い場所まで来たのだから、このような無指定仏塔も含めて、一箇所でも多く巡ってみようと考えたわけである。
そういうことに興味のない人から見たら、なかなか理解されない私の趣味に、毎度のことながら嫌な顔一つせず・・・、いや、むしろ楽しんで付き合ってくれてる(ように見える)友人には、
一応、感謝しといたほうがいいのだろうか・・・。
ところで、孝勝寺五重塔が、従来本格木造なのに対して、陸奥国分寺多宝塔はRC造りだが、見た目ではそれほど本格木造仏塔に遜色ない気がする。
広々とした本坊境内で凛として聳えるこの多宝塔は、奇をてらった部分が一切なく、真面目に造られた印象の多宝塔だ。
今回の旅行で陸奥国分寺は2箇所目。 宮城・山形・新潟県内、仏塔・国宝・100名城巡りは、まだまだ始まったばかりである・・・。
次は仙台城(青葉城)へ向かった。