国宝 西本願寺 飛雲閣 京都市下京区


興正寺境内から見た飛雲閣(国宝)


本願寺出版発行『本願寺グラフ』に掲載されている飛雲閣(国宝)の画像
(※庭園内は通常非公開であり特別公開時も撮影は禁止されている)

西本願寺
飛雲閣
国宝
桃山時代

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(歴史)

西本願寺は、浄土真宗本願寺派の本山である。 正式には龍谷山本願寺といい、西本願寺は通称である。 真宗大谷派の本山である 「東本願寺」(正式名称「真宗本廟」下京区)と区別するため、両派本山は通称で呼ばれることが多くなったのだといいう。
 その歴史は、浄土真宗の開祖である親鸞聖人が1263年(弘長2)に滅後、娘の覚信尼が、聖人の遺弟たちと、京都東山大谷に聖人の遺骨と影像を安置する廟堂を建てたことに始まる。  やがてこの廟堂が本願寺となり、その後、中興の祖である第8代宗主蓮如上人(1415〜1499)の時には教線が拡大され、 さらに第11代宗主顕如上人(1543〜1592)の時には、本願寺の寺基が現在の京都堀川六条に定められたという。

飛雲閣は、境内東南隅にある滴翠園の池に建つ三層柿葺きの楼閣建築である。  初層は入母屋造りに唐破風と千鳥破風を左右に、二層は寄棟造りに三方には 小さな唐破風を配し、三層は寄棟造りと変化に富んだ屋根になっている。
 二層三層と建物は小さくなり、その中心も東に移るという、左右非対称ながら巧みな調和をもつ名建築として知られている。
 もともとは本願寺の御亭が発達したものといわれ、一層に舟入の間を設けるなど、庭園と一体となった構造になっている。
 その建築の詳細は不明であり、寺に遺る江戸初期の文書『紫雲殿由縁記』(寛永15年成立、延亨4年増修)には豊臣秀吉の遺構だと記されていることから聚楽第の遺構との説も広く流布し 、他にもいくつかの説があるが、どれも確証はないということである。


実験的企画 国宝建築評価チャート図

国宝建築の能力値をサイト管理人が独断と偏見で点数化

(※)評価基準

○歴史 建造物の建立された年代の古さを点数化したもの。
 飛鳥時代以前(20点)、奈良時代(19点)、平安時代(18点)、 鎌倉時代(17点)、南北朝時代(16点)、室町時代(15点)、戦国時代(14点)、安土桃山時代(13点)、江戸時代前期(12点)、 江戸時代後期(10点)、明治時代(8点)、大正時代(6点)、昭和時代前期(5点)、昭和時代後期(3点)、 平成時代以降(1点)

○迫力 建造物の巨大さ、あるいは見た目の迫力を点数化したもの。

○美しさ 見た目の美しさを点数化。

○希少性 その意匠や形式などが同じ分類である建造物の現存例の少なさを点数化。

○おすすめ度 管理人のおすすめ度を点数化。主に観光満足度、その他、インパクトなどを重視。

以上はすべて、正式なものではなく、管理人の独断と偏見による評価である。


(国宝建造物訪問日記)

この日、『京阪みやこ漫遊チケット』を使用し、まずは、東寺の蓮花門と、金堂大師堂(西院御影堂)観智院客殿という4棟の国宝建造物を見学後、 『東寺東門前』バス停で207番系統のバスに乗り込み、『七条大宮・京都水族館前』バス停で降車、数分程度歩いて、西本願寺へやってきた。
 西本願寺は、国宝建造物を5件も有する、京都市内でも有数の大寺院である。  ただし、それら5件の国宝建造物のうち、まともに拝観できるのは、唐門のみで、 他の4件の国宝建造物は、不定期に行われる特別公開の時にしか拝観することができず、  そのうえ、その特別公開の時でも、写真撮影は厳しく禁止されているようだ。
 しかし、飛雲閣に関してだけは、本願寺隣の興正寺境内へ行けば、建物背後ではあるが、 上層部分の一部を見ることができる。
 なので私は、西本願寺へ行く前にその隣の興正寺へ立ち寄り、西本願寺一つ目の 国宝建造物である『飛雲閣』を拝観した。
 『飛雲閣』は、滴翠園の池に建つその美しさから、日本三大閣として 『金閣』や『銀閣』と並び称される名建築として知られているが、興正寺境内側から見ると、 公衆便所の上に聳える姿を拝観することになってしまうようだ。 それでも自由に見せてもらえるだけマシだと考えるべきだが・・・。
 何にせよ、京都市内にはこのように、拝観や撮影が制限された建造物が多くある。
 ちなみに、京都市よりもずっと古くて貴重な建造物が数多く残る奈良県内の寺社は、京都市内の寺社ほど非公開の建造物は多くない。  全体的に自由に拝観及び、撮影をさせてくれる印象である。
 それに対して京都市内には、せっかくの貴重な国宝建造物も、塀の中にしまいこんで非公開にし、たまに公開したとしても、写真撮影絶対NGにするという、 非常に閉鎖的な寺や神社が多く存在する。
 仏像とか工芸品ならともかく、 表に建っている建造物を、なぜそれほど頑なに非公開にしたり、写真撮影を禁止にしたりするのだろうか。
 まあ、拝観や撮影ができないもののことをいくら考えてもしょうがない。  次に私は西本願寺国宝建造物の中で唯一、自由に拝観することができる『唐門』のある場所へ歩いて行った。


初回訪問日&撮影日 2013年10月16日

(※国宝建造物撮影ポイント)

不定期で行われる特別拝観の時に来ないと敷地内には入れない。特別拝観で入っても敷地内は撮影禁止である。
 本願寺隣の興正寺境内からなら、建物裏側の上部だけ撮影できる。


@興正寺

西本願寺とは別の寺院だが、誰でも自由に出入りできる。


A公衆便所の背後に聳える飛雲閣(国宝)

飛雲閣と無関係の興正寺境内で撮らせてもらってるのだから、手前にどんな建物があろうと文句は言えない。


B飛雲閣(国宝)

実はこの建物の上部は、外の道路からも見える。 なのに、この建物が最も美しく見える庭園側からだけが、拝観や撮影が制限されているのは 少し納得がいかない気がする。


C飛雲閣の模型

西本願寺休憩所で自由に見れる。 かなり精巧に作られているようだ。

アクセス JR京都駅下車 徒歩10分

京都市バス「西本願寺前」下車すぐ

駐車場 有

国宝巡りドライブ難易度 非常に易しい(★)

★1つ→非常に易しい
★2つ→易しい
★3つ→ふつう
★4つ→難しい
★5つ→非常に難しい

おすすめアクセス方法
自動車でアクセスする場合は本願寺北側、北境内地駐車場を利用。
公共機関でのアクセスがおすすめである。

住所
京都市下京区堀川通花屋町下る本願寺門前町


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