日本100名城 061番 高取城(芙蓉城)
奈良県高市郡高取町


日本100名城 061番
高取城(芙蓉城)
国指定史跡
本丸天守台石垣

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(歴史)

高取城は、南北朝時代に豪族の越智邦澄が築いたといわれる。 一時廃城になるも、郡山城に入府した豊臣秀吉の 命により、1585年本多氏によって大修築がはじまる。 本多氏以降は、譜代大名の植村氏の居城となり、幕末まで続いた。
 岩村城と備中松山城とともに、近世の三大山城にあげられている。


(100名城訪問日記)

何よりも驚いたのは、高取城は廃城後も、この山深い場所に明治20年頃まで多くの建造物が残っていたということである。
 現在は建物は残っていないが、人っ子一人いない山奥のこの場所で、鬱蒼と生い茂る草木の中に残る数多くの石垣の遺構を 観てるだけでも、往時の高取城の威容を想像することができた・・・。

実は当初、高取城に来ることを迷っていた。  この時期、7月から8月にかけては、高取城跡へ向かう山道及び、高取城跡周辺では、マムシが出没するという情報を 得ていたからである。 その上、このうだるような暑さの中、城跡までは40分以上の山歩きが必要だということも・・・。

 ここに来る前に 『千早城』で600段程度の階段を登っただけでも、息を切らしていた私と友人は、非常に迷ったが、 とりあえずは100名城スタンプ設置ポイントである観光案内所「夢創舘」へ向かい、そこで色々聞いてみることにした。

 「夢創舘」へ到着し、スタンプを押させてもらった後、店員の方に高取城跡周辺のハイキングマップをもらった。  その人によると、自動車なら、七つ井戸側行き止まりまで行くことができ、そこからなら徒歩10分程度で行けるということだった。
 そのことを聞き、私たちは、「10分程度の山歩きなら、暑さも耐えられるし、マムシにも遭遇しないだろう・・・。」 と思い、高取城跡散策を決行することになった。
 そして友人の運転で、離合困難な車道をしばらく走った後、七つ井戸側の駐車スペースに到着。 道路脇のスペースに駐車した後、私たちは さっそく、城跡を目指して歩き始めた・・・。

夏場の山道は想像以上に雑草が鬱蒼と茂っている・・・。 私たちはマムシに遭遇しないか、周囲を警戒しながら、注意深く歩いて行った。
 ・・・そして5分ぐらい歩いただろうか。 ついには下からも上からも草が生い茂り、道が見えなくなってしまった・・・。
 私は、その場所で、今さらながらに気づいたのだが、このマムシが出るかもしれない危険な山道を、命知らずのその友人は、なんと、半ズボン姿で歩いていたのである・・・。
 その勝俣風半ズボンでは、もしマムシに襲われたらひとたまりもないだろう。 友人はあえなくそこでリタイヤとなり、自動車に引き返すことになった。

しかし私はここまで来てリタイヤはしたくなかった。 その草のトンネルを駆け足で抜け、その後も数か所草のトンネルを抜け、10分くらいで大手門跡石垣へ到着した。
 この山深い場所で、数多くの石垣が残るその光景は、なかなか壮観で、以前に行った『竹田城』を彷彿させた。 その風景を、たった一人で 独占できた達成感が湧きあがった。
 しかし気づいてみると、途中の山道と現地で出会った人の数はゼロ・・・。  その現実を考えると、いつ襲ってくるかもわからないマムシの恐怖で心細くなった。  あまり長居はせず、大急ぎで今来た山道を降りて行った。

結論は、高取城散策は、マムシが多い七月〜八月はやめた方がいいということである。 マムシがいない涼しい時期なら、 雑草も生い茂ってなくて、変に周囲を心配する必要もないので、じっくり散策できるだろう。


初回訪問日&撮影日 2012年08月01日

(※百名城スタンプ設置場所)
たかとり観光案内所「夢創舘」

@夢創舘(100名城スタンプ設置場所)

まずはここでスタンプ押印。 詳しいハイキングマップをもらい、行き方を教えてくれたうえ、お茶まで出してくださった。  そこまでしてもらい何も買わずに出るのも悪い気がしたので、パンをひとつ購入。


A七つ井戸側車道の行き止まり場所

離合困難な道が続いたが、以前、名草神社への道も難なく運転した友人にとっては このくらい屁の河童。 車道はここまで。 高取城登山口はこの場所より少し下った場所にあり、引き返して駐車。


B登山中最初に見えた石垣

高取城跡へ向けて歩いていると、最初に見えてきた石垣。 この場所より、 少し歩いた先で、あまりの草深さに友人はリタイヤし、車を駐車してる場所に引き返すことになる。


C山歩き途中の立て看板

左の写真はCGで天守を再現したもの。右の写真は明治20年頃の高取城の古写真。 この山深い場所に、明治の初めくらいまでは建物が立っていたとは驚きである。


D大手門跡

ついに名前のついた石垣に到着。 この辺りの雑草はまだ少ない。


E十三間多門跡

このあたりは所々雑草が生い茂っていた。


F二の丸方向からの太鼓御櫓台と新御櫓台

二つの立て看板があった。 右の看板は高取城の沿革。 左の看板は日本三大山城 (大和高取城、美濃岩村城、備中松山城)に関する説明板である。


G太鼓御櫓台と新御櫓台

この辺りになると、草は膝下くらいまで生い茂っている。 マムシに遭遇する危険性を考えて石段の上には上らず。


H天主台

とりあえずは第一の目的地である天守台。 石垣の隙間からも草木が生い茂り、あらかじめ見ていた写真とは若干イメージが違った。
 この辺りで 友人からメールが入る。 携帯はつながるようだ。
  「先に帰ってる。」とのこと・・・な、なぬっ!?


I本丸への虎口

ここまで来て出会った人の数ゼロ。 夏場は危険なのをみんな知ってるのだろうか。 そろそろ不安になってきた・・・。  もし私がマムシに噛まれたら、半ズボン姿の友人は助けに来れるのだろうか・・・っていうか、先に帰ってるんだったっけ?


J天主台

天主台の別角度。 これより先にまだ国見櫓跡があるのだが、この場所まで来るのが 限界。 さっき夢創舘で買ったパンを素早く食べて、引き返すことにした。


K本丸方向からの太鼓御櫓台と新御櫓台

結構駆け足での散策になってしまった。 急いで車をとめていた場所に戻ると、車は既に無かった・・・。
 『・・・あの半ズボン野郎、ホントに帰りやがった・・・!?』 と、心の中で嘆いていると、数分後に友人の車が上から降りてきた。

交通アクセス

近鉄吉野線「壺阪山」駅から奈良交通バス「壺阪寺行き」で「壺阪寺前」下車、 そこから徒歩40分程度の山登り

駐車場 無(七つ井戸側に、3台程度駐車できるスペースはあり。そこまで行けば徒歩10数分で済む。)


100名城巡りドライブ難易度 (★★★★)

(★1つ)非常に易しい
(★2つ)易しい
(★3つ)ふつう
(★4つ)難しい
(★5つ)非常に難しい

おすすめアクセス方法
自動車の場合、七つ井戸側の道路の少しだけ広いスペースに駐車する。
対向車が来たらすれ違い困難な場所が数か所あるので注意

住所
奈良県高市郡高取町高取

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