安楽寺 八角三重塔
国宝
(鎌倉時代後期)
18.8m

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安楽寺 八角三重塔 
(Anrakuji Temple)

伝承では天平年間(729 - 749年)、行基の建立とも言い、平安時代の天長年間(824 - 834年)の創立とも言うが、 鎌倉時代以前の歴史は判然としない。安楽寺の存在が歴史的に裏付けられるのは、鎌倉時代、 実質的な開山である樵谷惟仙(しょうこくいせん)が住してからである。
 この八角三重塔の建立年代については従来、鎌倉時代後期か室町時代前期と言われてきたが、平成16年の 調査の結果、その木材の伐採年代は1289年と判明。1290年代(鎌倉後期)には建立された、わが国最古の 禅宗様建築であることが証明された。


(仏塔訪問日記)

今回は仏塔巡りだけを目的に、夜行バスで長野県上田市界隈にやって来たわけだが、いくつかの仏塔の中で、 この『安楽寺八角三重塔』を観て、写真に撮るのが最高の楽しみだった。

八角形でしかも、禅宗様、最下層に裳階がついているというレア度に加え、古さ貴重さにおいても国宝に指定されているという、 仏塔好きの私にとってはかねてより、喉から手が出るほど拝観してみたい塔の一つであった。

拝観料をはらい、石段をのぼって墓地に到着し、その堂々たる姿を初見した時、わざわざ大法寺から山を徒歩で越えてきた甲斐は十分あったと感じた。
 ノーマルな四角形の三重塔でさえ、複雑に入り組んだ組物なのに、それが八角形になることによって、その複雑さは数倍にも跳ね上がるだろう。 『八角三重塔』という、前例があったのか、なかったのか、あえて『八角形』という複雑怪奇な仏塔の建立を目指した理由は一体なんだったのだろうか?

安楽寺の後に、巡りたいお寺は5箇所あったのだが、そんなことは既に思慮の外だった・・・。
 唯一無二にして、国宝中の国宝、『安楽寺八角三重塔』の、 計算されつくしたそのフォルムに、時が経つのも忘れて、しばらくの間見入っていた。


初回訪問&撮影日 2010年6月30日


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実験的企画 国宝建築評価チャート図

国宝建築の能力値をサイト管理人が独断と偏見で点数化

(※)評価基準

○歴史 建造物の建立された年代の古さを点数化したもの。
 飛鳥時代以前(20点)、奈良時代(19点)、平安時代(18点)、 鎌倉時代(17点)、南北朝時代(16点)、室町時代(15点)、戦国時代(14点)、安土桃山時代(13点)、江戸時代前期(12点)、 江戸時代後期(10点)、明治時代(8点)、大正時代(6点)、昭和時代前期(5点)、昭和時代後期(3点)、 平成時代以降(1点)

○迫力 建造物の巨大さ、あるいは見た目の迫力を点数化したもの。

○美しさ 見た目の美しさを点数化。

○希少性 その意匠や形式などが同じ分類である建造物の現存例の少なさを点数化。

○おすすめ度 管理人のおすすめ度を点数化。主に観光満足度、その他、インパクトなどを重視。

以上はすべて、正式なものではなく、管理人の独断と偏見による評価である。








交通アクセス

上田交通別所線「別所温泉駅」から徒歩15分

駐車場有 ただし、寺専用駐車場は台数が限られている。
分かりにくければ別所温泉観光協会駐車場(有料)を利用すればよい

仏塔巡礼ドライブ難易度 易しい(★★)

(★)・・・・・・・・・・非常に易しい
(★★)・・・・・・・・易しい
(★★★)・・・・・・ふつう
(★★★★)・・・・難しい
(★★★★★)・・非常に難しい

おすすめアクセス方法
自動車でも電車でも行きやすい
駅から別所温泉の雰囲気を楽しみながらの徒歩がおすすめ
重文石造多宝塔有する「常楽寺」も徒歩圏内

住所 〒386-1431 長野県上田市別所温泉2361

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