安楽寺の創建については不詳である。ただ、この場所にはかつて、聖徳太子創建『葛木寺』が あったとされるが、他に候補地が数箇所あるので、それも確証はないようである。
　この三重塔（初層）は安楽寺から少し離れた畑脇の丘に建っているが、 1258年に何らかの理由で三重塔を初層のみに改築されている。
　もともとの建立年度は不明であるが、 かなり古いものであることは間違いないだろう。

（仏塔訪問日記）

近鉄吉野線葛駅を下車し、徒歩10分程度で来れる。
　この写真でも分かるかもしれないが、この日は大雨だった。
　安楽寺自体の場所から、離れた畑の中に、ポツンと建つこの仏塔を、他県からわざわざ 見に来る人物といえば、間違いなく仏塔好きな人であろう。
　『安楽寺』という寺名は、ここ以外に、国宝八角三重塔で有名な、長野県の安楽寺や、 非公開の多宝小塔を有する、和歌山県の安楽寺など、あまりにも多いが、御所市のこの安楽寺は 建立年度や、人物、その他について、不明な点がが多いようである。