指定無 宝厳寺 三重塔 (滋賀県長浜市)


宝厳寺(真言宗豊山派)
三重塔
15.5m
指定無
平成12年(2000年)

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(歴史)

竹生島宝厳寺の歴史は、神亀元年(724)、聖武天皇が僧行基を勅使としてつかわし、開基させたのが 始まりとする。 以来、伝教大師、弘法大師なども来島して修行したと伝えられ、豊臣秀吉の時代には、 多くの書状、宝物が寄贈された。 慶長7年(1602年)には、太閤の遺命により、秀頼が豊国廟より 観音堂や唐門などを移築させている。
 明治時代には『神仏分離令』により宝厳寺より都久夫須麻神社が分けられ、元々は宝厳寺の本堂だった 建物を現在の都久夫須麻神社の本殿に改め、宝厳寺自体を廃寺として神社に改めよとの命令が下った。
 しかし、全国の信者たちの要望で廃寺は免れ、本堂の建物のみを神社に引き渡すことになったという。
 現在の本堂は昭和17年に再建されたものである。

もともとの宝厳寺三重塔は、1484年に建立されたが、江戸時代初期に落雷で焼失。  以来約350年間再建されることはなかったが、平成12年(2000)に現在の三重塔が完成した。  設計にあたっては、中世以来竹生島の宮大工を務めた阿部家に残されていた設計図を参考にし、 現代の宮大工が6年の歳月をかけた建立したという。


(仏塔訪問日記)

奥琵琶湖に浮かぶ0.14ku程度の小さなその島内には、 国宝建造物が2件と、重文建造物が3件もあり、おまけに無指定ではあるが、 三重塔まで1基ある。 私はかねてより、そんなロマンと伝説に満ちた島、『竹生島』に行ってみたいと思っていた。
 今回はやっと念願かなって、行ける機会ができたのだが、 まずは行くにあたって、琵琶湖西側の『今津港』か、琵琶湖東側の『長浜港』、どちらから『琵琶湖汽船』に乗船するか選択することになった。
 竹生島自体は、どちらの港から行ってもさほど大きな違いはない。  ただし、竹生島は非常に狭い島なので、船で行って島内を全て見て回って港に帰ってきても、 午前中で終わってしまう。 じゃあ、せっかくだから空いた午後は、他のどこかへ立ち寄ろうと考えた。
 まず、東側の『長浜港』から往復した場合、その後に、 100名城の『小谷城』や、『観音寺城』、『安土城』も巡れるかもしれない。
 それに対して、西側の『今津港』から往復した場合は、その後に、国宝建造物2棟有する『日吉大社』と、 国宝建造物4棟有する『三井寺』を見て回れる・・・。
 これはまさに『日本100名城』対、『国宝建造物』の戦い・・・。  このサイトではどちらかといえば『国宝建造物』よりも『日本100名城』の方が手薄で、100名城スタンプは 魅力だ。 しかし、冬場の山城は雪などで大変そうである・・・。
 結局私は、街中でユルユル行けそうな、『国宝建造物』、 つまりは、『今津港』往復の方を選択した。

『今津港』へ到着すると、既に5〜6人の先客がおり、私はまず、乗船チケットを購入。 するとそばで見ていた中学生の男の子が、「もしよろしければアンケートを お願いできますでしょうか?」と話しかけてきた。 聞くところによるとその日は、近くの中学校が、 生徒たちに色々な仕事を体験させようという、職業体験の日なのだそうだ。
 その男子生徒ともう一人の女子生徒は、この『今津港』で、切符切りや、掃除などの仕事を体験しているとのこと。
 私は元来、街中でアンケート等を頼まれてもどちらかといえば断る性分だが、 せっかくの職業体験で健気に働く中学生たちの頼みを、無下に断っては、周りの観光客たちに、『いい歳して、なんて薄情な奴なんだ!』って、思われそうだ。
 私は必要以上に愛想の良い表情でアンケートに答え、出航を待っていた・・・。

 続きは次の画像で・・・。


初回訪問日&撮影日 2013年11月22日


@琵琶湖汽船今津港

今津港の建物内で土産物等を見ていたら、いよいよ出航の時間(9時40分)に。 職業体験の女子中学生に切符を切ってもらい乗船。


A琵琶湖汽船後方の眺め

琵琶湖汽船はなかなかのスピードで、今津の港はどんどん遠くなっていく。 私はしばらくデッキに腰をかけて、心地よい船風を浴びていたのだが、 次第に風が強くなってきて、鼻水が出てきたので、船室へ移動した。


B竹生島船着場

20〜30分船に乗っただろうか。  ついに竹生島港へ到着した(10時05分)。 島の上の方に様々な堂塔が立ち並んでおり、ワクワクしてきた。


C竹生島上陸

竹生島港到着が10時05分で、帰りの船の出港時間は、11時20分。  ということはつまり、滞在時間は75分間である。  島内は広くないので75分という時間は、島内を巡るのに十分な時間だという。  でも他の観光客が次々に階段を登っていくのを見ると、気持ちは早る。


D竹生島上空を飛んでいたとんび

島内の階段を上ろうとした瞬間、私の頭上7〜8m程度という低い上空を、鳶が旋回した。 私はその迫力に思わず上空に向けてシャッターを押していた。  更に、鳶の細かな表情も撮影しようと望遠レンズに付け替えていると、その間に鳶はどこかへいなくなってしまった・・・。残念。


E宝厳寺参道

私は土産物店が立ち並ぶ参道を抜け、参拝チケットを自販機で購入。 受付を済ますと、目の前はかなり急な階段だった。165段という長い道のりをかなり早足で歩くも、不思議と気分は晴れ晴れしていた。


F宝厳寺本堂

本堂は昭和17年に再建されたもので、弁財天像を安置している。 この弁財天像は、江ノ島・宮島と並ぶ 「日本三弁財天」の一つで、その中でも最も古いため、特に『大弁財天』と称している。  狭い島内の山の上に建つため、かなり巨大に見えた。 手前に写っているおばさんと比較すると、 その巨大さが分かる。


G宝厳寺三重塔

平成12年に、実に350年ぶりに再建された新しい三重塔である。 従来工法に従い、 宮大工が6年の歳月をかけて建てただけあって、非常に立派な三重塔だ。 仏塔を見るのは、 今年の4月に行った清水寺子安塔以来なので、7が月ぶりである。  当サイトはもともと仏塔がメインのサイトのはずなのだが、近場の仏塔はかなり行き尽くした感があるので、 なかなか行く機会がない。 狭い島内に建っているため、撮影は困難だが、やはり仏塔はいいものだ。
 三重塔を見学後、脇にある宝物殿を見学。  重要文化財である銅水瓶や釈迦三尊像、駿河倉印、毛抜型太刀、弘法大師上新請来目録など、 数多くの寺宝を展示。


H宝厳寺石造五重塔(重要文化財)

島内に建つ、もう一つの仏塔である。 鎌倉時代建造。 比叡山中から採掘される小松石により造られた 石製の五重塔。 初重には四方に仏を配し各屋根には反りをもつ、鎌倉時代の特徴が見られる。  五重石塔で重要文化財の指定を受けているものは、全国で7基しかなく、これはその一つである。
 一部修理されているが、島内最古の建造物であり、大変貴重なものである。
 石造五重塔を見学後私は、国宝・唐門の方へ降りていった。


I宝厳寺唐門(国宝)



J都久夫須麻神社本殿(国宝)

宝厳寺への交通アクセス
JR北陸本線「長浜」駅下車。徒歩10分で長浜港へ。長浜港から船で30分
又はJR「近江今津」駅下車。徒歩5分の今津港から琵琶湖汽船乗船25-30分

駐車場 無 自動車の場合、長浜港もしくは今津港周辺の駐車場を利用し、港からは船で。

仏塔巡礼ドライブ難易度 非常に易しい(―)

★1つ→非常に易しい
★2つ→易しい
★3つ→ふつう
★4つ→難しい
★5つ→非常に難しい

光前寺へのおすすめアクセス方法

琵琶湖汽船を利用。港は「長浜港」か「今津港」のどちらからかを選択する。

住所
長浜市早崎町1664

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