和歌山県指定有形文化財 慈尊院 多宝塔 (和歌山県伊都郡九度山町)


慈尊院(高野山真言宗)
多宝塔
約15m
和歌山県指定有形文化財
室町時代後期建立後、寛永元年(1624年)に大改修

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(歴史)

慈尊院は、弘仁7年(816年)、空海が嵯峨天皇から高野山の地を賜って、高野山開創するに際し、高野山参詣の要所にあたる九度山の雨引山麓のこの地に表玄関として伽藍を草創し、一の庶務を司る政所、 高野山への宿所、冬期の避寒修行の場所とした。
 空海の母・阿刀氏は、讃岐国多度郡(現:香川県善通寺市)から息子の空海が開いた高野山を一目見ようと訪ねて来たが、当時の高野山は女人禁制だったため、 この慈尊院で滞在していたという。

現在の慈尊院多宝塔は、1624年(寛永元年)に再建されたもので、傷みが激しかったが大修理が行われ、平成20年には現在の美しい姿を取り戻した。


(仏塔訪問日記)

この日、5月2日は、奈良県東大寺で『聖武天皇祭』が開催されており、私は有給を取得し、年に一度だけ拝観できるという、 国宝・東大寺本坊経庫を見学した。 その後時間が余ってしまったので、奈良県の東大寺からはるばる、高野山金剛峯寺まで車でやって来て、 国宝・金剛峯寺不動堂を見学し、高野山を下山。 最後に、ここ慈尊院へ立ち寄り、その多宝塔を見学した。
 私はあらかじめ、ネットで慈尊院多宝塔の画像を見たのだが、老朽化が激しく、今にも崩れ落ちそうな印象だった。
 しかし、門をくぐりすぐに目に飛び込んできたその姿は、非常に美しく、一見すると近年に建てられた多宝塔を見間違うほどであった。
 聞く所によるとこの多宝塔は、平成20年に大改修をされたばかりだという。
 日本の古い建造物は、長い年月、様々な人々の努力によって、維持管理されているものなのだと、今更ながらに思い知らされた。

4年前に高野山を参拝した時には、時間の都合でこの地へ立ち寄ることができなかったので、今回、 同じく見落としていた金剛峯寺不動堂とともに拝観したことによって、私の高野山参拝は、一応の区切りがついた。

ところで、四年前とこの日とでは、同じ高野山でも、随分見え方が違っていたように思える。
 それが、私の古建築に対する目が肥えてきたことによるものなのか、はたまた、ただの気のせいなのかは分からない。
 しかし、ただ一つはっきり言えることは、4年前よりもこの日の方が、高野山を十二分に楽しめたということである。


初回訪問日&撮影日 2014年05月02日



慈尊院への交通アクセス
南海高野線九度山駅から徒歩約25〜30分(約1.5km)

駐車場 有

仏塔巡礼ドライブ難易度 非常に易しい(★)

★1つ→非常に易しい
★2つ→易しい
★3つ→ふつう
★4つ→難しい
★5つ→非常に難しい

光前寺へのおすすめアクセス方法

綺麗な駐車場もあり自動車がおすすめだが、駅から徒歩でもそれほど問題ない。

住所
和歌山県伊都郡九度山町慈尊院832

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