国宝 金剛峯寺 不動堂 和歌山県伊都郡高野町


金剛峯寺
不動堂
国宝
1197年(建久08年)、または鎌倉時代後期

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(歴史)

弘仁7年(816年)、弘法大師は、高野山を真言密教の根本道場として定め、その高野山一山の総称として、金剛峯寺と命名した。  弘法大師は、高野山の造営にあたり壇上伽藍から始め、金堂、大塔、西塔、僧房等の建立に心血を注いだという。

国宝・不動堂はもともと1197年(建久08年)に、鳥羽上皇の皇女である八條女院内親王によって発願され、行勝上人によって建立された。
 もともとの不動堂は、一心院谷(現在の金輪塔所在地付近)に建てられていたが、1908年(明治41年)に現在地に移築された。
 現存する不動堂は、その建築様式から鑑みるに、1197年(建久08年)に建立された当時のものではなく、鎌倉時代後期に再建されたものという見方が大きい。
 桧皮葺、桁行三間、梁間四間、一重入母屋造で、その四隅はすべて形が違っており、 四人の工匠がそれぞれの随意に造ったためと伝わる。


実験的企画 国宝建築評価チャート図

国宝建築の能力値をサイト管理人が独断と偏見で点数化

(※)評価基準

○歴史 建造物の建立された年代の古さを点数化したもの。
 飛鳥時代以前(20点)、奈良時代(19点)、平安時代(18点)、 鎌倉時代(17点)、南北朝時代(16点)、室町時代(15点)、戦国時代(14点)、安土桃山時代(13点)、江戸時代前期(12点)、 江戸時代後期(10点)、明治時代(8点)、大正時代(6点)、昭和時代前期(5点)、昭和時代後期(3点)、 平成時代以降(1点)

○迫力 建造物の巨大さ、あるいは見た目の迫力を点数化したもの。

○美しさ 見た目の美しさを点数化。

○希少性 その意匠や形式などが同じ分類である建造物の現存例の少なさを点数化。

○おすすめ度 管理人のおすすめ度を点数化。主に観光満足度、その他、インパクトなどを重視。

以上はすべて、正式なものではなく、管理人の独断と偏見による評価である。


(国宝建造物訪問日記)

この日私は年休を利用して、東大寺の『聖武天皇祭』へ行き、国宝・東大寺本坊経庫を見学したのだが、 お昼ぐらいで見学が終了し時間が余ってしまった。 そこで急遽予定を増やし、奈良県の東大寺から車で2時間程度かけて、 高野山へ行くことにした。
 とはいえ、高野山へは4年前に訪問済みだったので、この日の目的は主に、4年前に見落としていた国宝建造物・ 金剛峯寺不動堂を見学することである。
 高野山の近くには高速道路出口が無いため、東大寺から高野山へ向けてのその道中はほとんどが下道だった。  その上、その道のりの大半の時間を、長い山道で費やされたので、少し疲れるドライブだったが、無事に到着。
 山内にある無料駐車場に車をとめ、すぐに金剛峯寺の壇上伽藍へ向かった。  金剛峯寺壇上伽藍到着後、壇上伽藍内は参拝料はいらないので、目当ての国宝、不動堂へはあっさり到着した。

根本大塔や西塔など、迫力のある巨大建造物が立ち並ぶ金剛峯寺壇上伽藍内において、 この国宝・不動堂は、どちらかといえば、小さくて目立たないが、金剛峯寺内最古で、最も貴重な建造物であるだけに、独特のオーラを醸し出していた。
 その独特のオーラを発する山内で最も貴重とも言えるこの建造物を、四年前の私はなぜ、見逃してしまっていたのだろうか・・・。
 その理由は、4年前の私がこういう古建築に関して今以上に無知であったことに他ならない。
 しかしもう一つの理由として、この不動堂が、金剛峯寺内でずば抜けて古い歴史を持つ貴重な建造物である割には、 パンフレットや立札等で大々的に紹介されるわけでもなく、他の多くの堂塔と変わらぬ扱いで、目立たない場所に さり気なく建っている点も挙げられるのではないだろうか。
 昨今では、歴史的価値を理解できぬ人物による、歴史的建造物等へのイタズラ等も心配されるため、 参拝料もいらず、誰でも自由に出入りできる壇上伽藍のような場所では、大変貴重な建造物であっても、 あえて、大々的に宣伝せず、表向きは他の堂塔と同じように扱うというのは、ある意味、正解なのかもしれない。

長時間ドライブではるばるやって来た高野山であるが、鎌倉時代の素晴らしい和様建築であるこの国宝不動堂を 十二分に見学し、壇上伽藍の他の建造物や、前回見落とした一部の寺院をじっくり見学しても、滞在時間はわずか、一時間程度。
 私は高野山を下り、この日最後の目的地である、女人高野・慈尊院の多宝塔を目指した。


初回訪問日&撮影日 2014年05月02日

(※国宝建造物撮影ポイント)

外観は自由に撮影可能


@正面から見た不動堂(国宝)


A斜め後ろから見た不動堂(国宝)


B不動堂(国宝)


C山王院


D金剛峯寺根本大塔


E金剛峯寺西塔

アクセス 南海高野線「高野山駅」から南海りんかんバス「金堂前」下車、徒歩1分

駐車場 高野山内に数カ所有

仏塔巡礼ドライブ難易度 370号480号経由 ふつう(★★★)

★1つ→非常に易しい
★2つ→易しい
★3つ→ふつう
★4つ→難しい
★5つ→非常に難しい

おすすめアクセス方法

関西各電鉄会社より発売されている『高野山1dayチケット』を購入しての公共機関利用がおすすめ。 発売時期等要問合せ
 自動車の場合、371号線は道幅が狭い山道なのでドライブ難易度難しい(★★★★)。  370号480号経由は、山道の割に交通量が多いが、 離合可能な場所がほとんどなのでこちらがおすすめである。



住所
伊都郡高野町高野山132


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