寺伝によると中山寺は、聖徳太子が建立したとされる日本で最初の観音霊場である。 現在の本堂や阿弥陀堂は、豊臣秀頼が片桐且元に命じて再建したものである。
本尊は十一面観世音菩薩であり、古くから安産・求子の観音として、皇室、武家、庶民など、多くの人々に深く信仰されてきた。
この多宝塔(大願塔)は、かつて中山寺に存在したとされる大塔を、平成19年(2007)に鉄骨構造により再建したものである。
かつて建てられた塔の図面は残っておらず、 国宝の『根来寺多宝塔』を参考にして建造されたという。
(仏塔訪問日記)
中山寺は『安産の観音様』として全国的に知られており、ちょうど戌の日であったこの日は、
多くの妊婦さんとその家族連れが参拝しており、本堂で、『戌の日の祝い』(※妊娠5ヶ月目に入った最初の戌の日に腹帯を締めて母子の健康を祈願するもの) の安産祈祷を受けていた。
中山寺の安産祈祷には、お札を身代わりにご祈祷してもらい、後日郵送される『安産祈祷』と、
直接祈祷してもらい、当日授かる『安産特別祈祷』の2種類があり、それぞれ祈祷料が異なる。
この日の私は、この多宝塔の写真を撮るために中山寺へ来た訳ではなかった。 他の多くの妊婦さん家族同様、
嫁さんと母親の3人で安産祈願を目的に来たのである。 まずは民営駐車場に車をとめて、参道を通り境内の本堂へ向かう。
母親も私を産む前にここへ来たそうだが、あまりにも昔
すぎて、参道や境内の様子はあまり覚えていなかったようである。
本堂前到着後、お線香を立てて、
『安産祈祷』の受付へ。
やはり戌の日もあってか、
『安産祈祷』受付の前は長蛇の列で、少し待たされたが、無事に済ませた。
後は御祈祷してもらったお札を郵送してもらうのみである。
この中山寺へは今後も『お礼参り』などで、何度か参拝するだろう。
本題の多宝塔についてだが、この塔は『大願塔』と呼ばれ、柱間五間であるため、正式には多宝塔の中でも『大塔』に属する。
通常サイズの多宝塔より巨大なうえに、丘に建っているため、阪急の駅はもとより、JR宝塚線
の車内からも
よく見える。