日本100名城 048番 松阪城(―) 三重県松阪市




日本100名城 048番
松阪城(―)
県指定史跡
写真(上)は石垣と松阪城跡石碑
写真(下)は天守台

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(歴史)

松阪城は、蒲生氏郷が松ヶ島城に代わる城として、天正16年(1588)に、標高38mほどの伊勢平野中央部にある独立丘陵上に築いた平山城である。
 織田信長の寵を受けた武将である氏郷は、近江国日野の出身で、出身地の工人たちを引き連れ、 安土城とよく似た縄張りや建物構成をもつ城をつくった。 その本丸には三重の天守をはじめ多くの櫓が建てられ、各曲輪の周囲には立派な石垣が築かれたという。
 氏郷は城を築くと、信長に倣い、自由に商工業を営むことができる楽市楽座の制度を取り入れるなど、 城下町としての繁栄を図り長期展望に立ったまちづくりを進めて、松阪のまちをほぼ今の形にととのえたという。
 その後、元和5年(1619)に徳川頼宣の領地に編入されるが、松阪の商人たちは紀州藩の藩札発行を任されるほどの 豊かな経済力をもつようになり、松阪は商人の町として大いに発展した。


(100名城訪問日記)

この日は岐阜県内の日龍峰寺永保寺を見学し、残った時間を利用して、三重県松阪市の松阪城跡まで車を走らせた。
 その道中の伊勢自動車道は空いており、かなり快適なドライブだったのだが、高速の松阪インターを下りるとなぜか長蛇の車の列が。
 その長蛇の列の先には松阪農業公園(ベルファーム)があり、『松阪牛まつり(第63回松阪肉牛共進会)』と書かれた看板が目に入ってきた。
 どうやら、そこの駐車場が満車状態だったので、その駐車場に入るのに待っている車が列をなしていたみたいだ。
 ちなみに松阪肉牛共進会とは、農家が育てた牛の品質を競う、松阪牛の品評会である。
 品評会ということは、松坂牛の試食コーナーとかもあるのだろうか・・・?
 史跡巡りに必死になって朝から何も食べていない私は、松阪牛のステーキを想像して思わずよだれが出そうになったが、そういうイベントに無関係の私は、さっさと右車線に寄り、松阪城跡まで車を走らせた。

松坂市内を車で走るとすぐに松阪城駐車場に到着。 私は表門まで歩き、立派な高石垣を横目に、まずは100名城スタンプ設置場所である『松阪市立歴史民俗資料館』へ行きスタンプ押印。
 資料館には、古くから街道の要衝地であり、商人の町として栄えてきた松阪の、興味深い資料や展示物が多数収蔵されていた。
 松阪城自体の展示物は少なめだったが、そこでゆっくり見学しすぎて、外に出たら、既に日も徐々に落ちかけていた。
 私はそのまま徒歩で、天守台の方へ向かい、天守台や各櫓の石垣や、天守閣跡や各櫓跡を見学。
 太陽がかなり低かったので、いいなと思う角度に限って、すさまじい逆光だったのは残念だったが、 野面積みによる見事な石垣の数々は、建造物が一棟も残っていなくても、圧巻の一言だった。

昭和57年には、市民より「天守閣を再建してほしい」との要望もあったが、反対する意見も多く、取り止めとなったという。
 私も、安易に天守閣を再建するのは大反対である。 特に松阪城のように、大昔に倒壊し、 その天守閣の資料がほとんど残っていない場合は、想像上の模擬天守を建てることになってしまうだろう。
 安易にそういうものを建てることによって、素晴らしい石垣の数々が、台無しになってしまう可能性もあったわけだ。

私は城に関しては詳しくないが、昭和の天守閣再建ブームの頃の、『城=天守閣』という考えが、 非常に安易で短絡的なものであったことは容易に理解できる。
 城跡の中には天守などの建造物がほとんど残っていなくても、この松阪城のように歴史的価値が高い場所がたくさんあるのである。

初回訪問日&撮影日 2012年11月25日

(※百名城スタンプ設置場所)
松阪市歴史民俗資料館、本居宣長記念館

@表門付近

表門付近から本丸に至るまで、 多くの石垣が残っている。


A松阪市立歴史民俗資料館(登録有形文化財)

この建物は、明治44年(1911)に飯南郡図書館としてこの場所に建築されたもので、数少ない明治洋風の木造建造物として その保存価値が認められている。 昭和53年市制45周年記念事業の一つとして新しい図書館が建設され、 歴史資料館にころもがえしたという。


B城跡内の紅葉

城跡内は場所によっては紅葉真っ盛りだった。


C天守台

天守台の上にはかつて、三十の天守が築かれていたが、江戸時代前期の史料によれば、1644年(正保元年) に天守が台風のため倒壊したとされ、以後は天守台のみが残ることとなった。


D天守台石段

昭和57年(1982)に市民より「天守閣を再建してほしい」との要望もあったが反対する意見も多く、取り止めとなった。


E天守閣跡

松阪城天守閣は1644年に倒壊しており、その資料もほとんど残っていない。


F周囲高石垣上部


G高石垣の上から見た松坂市内街並み

交通アクセス

JR紀勢本線・近鉄大阪線「松阪」駅から徒歩15分

駐車場 有

100名城巡りドライブ難易度 (★)非常に易しい

(★1つ)非常に易しい
(★2つ)易しい
(★3つ)ふつう
(★4つ)難しい
(★5つ)非常に難しい

おすすめアクセス方法
自動車によるアクセスがおすすめである。

住所
三重県松阪市殿町

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