国宝 不動院 金堂 広島市東区


不動院
金堂
国宝
1540年(天文09年)

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(歴史)

不動院の正式名称は、新日山安国寺不動院。 江戸時代の書物、「新山雑記」では、 僧空窓による開創であると伝えられるが、その時代や由緒については判然としない。
 だが、金堂内に安置されている本尊薬師如来坐像が定朝様式であることから、平安時代に 創建されたことが推察されるという。
 当寺は、足利尊氏、直義兄弟が日本六十余州に設立した安国寺のひとつであったといわれ、 以後、安芸安国寺として、又、安芸国守護武田氏の菩提寺として繁栄した。
 しかし、戦国時代の武田氏と大内氏の戦いにより伽藍が焼失。 その後、 毛利氏の外交僧安国寺恵瓊により復興され、特に、金堂、楼門、鐘楼、方丈、塔頭十二院などが復興整備された。
 関ヶ原の合戦で西軍に組した恵瓊が処刑されると、寺領は没収され、次第に衰えていった。
 毛利氏も去った後、福島正則が芸備両国の大名として入国し、正則の祈祷僧である宥珍が安国寺に入り住持となった。  この時、宗派を禅宗から真言宗に改め、不動明王を本尊とし不動院と称した。
 後に浅野氏が国主として広島に入ると、浅野家歴代藩主の保護を受け明治に至った。

 昭和33年2月8日に国宝に指定されたこの金堂は、天文9年(1540)頃の建立であり、 天正年間(1573−1592年)に山口市にあった禅宗寺院・凌雲寺から移築されたと伝わる。
 入母屋造、柿葺、一重裳階付き建造物であり、その建築様式は典型的な禅宗様である。  現存最大規模の中世禅宗様仏殿として知られる。


実験的企画 国宝建築評価チャート図

国宝建築の能力値をサイト管理人が独断と偏見で点数化

(※)評価基準

○歴史 建造物の建立された年代の古さを点数化したもの。
 飛鳥時代以前(20点)、奈良時代(19点)、平安時代(18点)、 鎌倉時代(17点)、南北朝時代(16点)、室町時代(15点)、戦国時代(14点)、安土桃山時代(13点)、江戸時代前期(12点)、 江戸時代後期(10点)、明治時代(8点)、大正時代(6点)、昭和時代前期(5点)、昭和時代後期(3点)、 平成時代以降(1点)

○迫力 建造物の巨大さ、あるいは見た目の迫力を点数化したもの。

○美しさ 見た目の美しさを点数化。

○希少性 その意匠や形式などが同じ分類である建造物の現存例の少なさを点数化。

○おすすめ度 管理人のおすすめ度を点数化。主に観光満足度、その他、インパクトなどを重視。

以上はすべて、正式なものではなく、管理人の独断と偏見による評価である。


(国宝建造物訪問日記)

この日の私は、大阪の自宅から広島方面へ向けてドライブし、国宝不動院→広島城→宮島というルートの史跡巡りをした。
 まず最初に立ち寄ったのが、国宝金堂を有する不動院である。
 非常に古い歴史を持つ不動院だが、国道からほんの少し入った一見、古い建物など無さそうな新しい街中にポツンをたたずんでおり、正直なところ私は、 ちょっとした違和感を覚えたのは事実だ。
 しかし、この不動院という寺院は、1945年8月6日、広島市へ原子爆弾投下された際に、爆心地からたったの 3.9mという非常に近い位置にあったにもかかわらず、金堂、楼門、鐘楼といった古い建造物のうち、金堂の屋根の一部と柱が一本破損した程度で、 倒壊を免れた非常に貴重な寺院であるのだということを知ると、私のその違和感は一気に無くなった。
 広島への原爆投下では、一瞬にして数多くの尊い命とともに、数多くの文化財が消失したという。

戦争において、どちらの国が善でどちらの国が悪かなど、最終的には誰にもわからないことゆえ、ここで今さら、日本各地への容赦ない空襲で多くの庶民の命を奪い、貴重な文化財の数々を焼失させた アメリカのことを批判することは避ける。
 ただし、ポツダム宣言で日本が半ば降伏を受諾しかけていたのにもかかわらず、 広島長崎への原爆投下を決断し投下させ、戦後も断固としてあの決断は正しかったと譲らない白人至上主義者 にして有色人種差別主義者、トルーマン大統領が、 世界史史上最悪の大量虐殺者の一人であるという考えだけは、絶対に譲るつもりはない。

私は次の目的地、広島城へ向かった。


初回訪問日&撮影日 2014年08月11日

(※国宝建造物撮影ポイント)

外観は自由に撮影可能


@楼門(重要文化財)

文禄三年(1594)頃の建立。 中央を通路とし、両脇に仁王像を安置する一般的な禅宗様の二重門である。


A鐘楼(重要文化財)

永享5年(1433)頃の建立。 和様の組物と禅宗様の軒をもつ珍しい意匠。 天正年間に移築されたという。


B金堂(国宝)


C別方向から見た金堂(国宝)

アクセス 広島高速交通広島新交通1号線(アストラムライン)不動院前駅より徒歩2分

駐車場 有

仏塔巡礼ドライブ難易度 易しい(★★)

★1つ→非常に易しい
★2つ→易しい
★3つ→ふつう
★4つ→難しい
★5つ→非常に難しい

おすすめアクセス方法

自動車か電車どちらでもいい



住所
広島県広島市東区牛田新町3-4-9


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