国宝 金蓮寺 弥陀堂 (愛知県西尾市)










金蓮寺
弥陀堂
国宝
鎌倉後期

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(歴史)

寺伝によると金蓮寺は、源頼朝の命によって三河守護の安達盛長が建てた「三河七御堂」のひとつで、 文治2年(1186)に創建されたと伝わる。
 弥陀堂は愛知県最古の木造建造物であり、全国的にも数少ない平安時代の 弥陀堂建築の流れを汲む。 昭和29年には解体修理により檜皮葺に復元され、翌年国宝の指定を受ける。  前述のとおり文治2年(1186)に三河守護安達盛長が建築した「三河七御堂」のひとつとの伝承をもつが、 平安時代の阿弥陀堂建築では四本あるべき内陣の来迎柱が二本で、中央より後方にずれていることなどから 鎌倉時代中期の建築であると考えられている。


実験的企画 国宝建築評価チャート図

国宝建築の能力値をサイト管理人が独断と偏見で点数化

(※)評価基準

○歴史 建造物の建立された年代の古さを点数化したもの。
 飛鳥時代以前(20点)、奈良時代(19点)、平安時代(18点)、 鎌倉時代(17点)、南北朝時代(16点)、室町時代(15点)、戦国時代(14点)、安土桃山時代(13点)、江戸時代前期(12点)、 江戸時代後期(10点)、明治時代(8点)、大正時代(6点)、昭和時代前期(5点)、昭和時代後期(3点)、 平成時代以降(1点)

○迫力 建造物の巨大さ、あるいは見た目の迫力を点数化したもの。

○美しさ 見た目の美しさを点数化。

○希少性 その意匠や形式などが同じ分類である建造物の現存例の少なさを点数化。

○おすすめ度 管理人のおすすめ度を点数化。主に観光満足度、その他、インパクトなどを重視。

以上はすべて、正式なものではなく、管理人の独断と偏見による評価である。


(国宝建造物訪問日記)

この日は朝一で新幹線に乗り、バスに乗り継いで、静岡県の国宝・久能山東照宮へ参拝に行ったのだが、 時間が中途半端に余ってしまった。 そこでせっかくだから、新幹線と在来線を乗り継いで、愛知県西尾市の国宝本堂有する金蓮寺へ立ち寄ってから、 大阪へ帰ることにした。

その乗り換えはJR静岡駅からJR豊橋駅までは新幹線(自由席)で行き、 JR豊橋駅からは東海道本線新快速大垣行きに乗り、蒲郡駅へ。  蒲郡駅で名鉄蒲郡線に乗り換え、名鉄吉良吉田駅に行き、吉良吉田駅から徒歩で約40分かけて、 目的地である金蓮寺へ向かうというものである。
 新幹線と在来線の乗り継ぎは問題なくできたが、吉良吉田駅を下りてからの徒歩(約40分)は けっこうしんどかった。
 駅からバスが走ってる感じはなかったし、かといってタクシーを利用するほどじゃない。  となると選択肢は徒歩しかなかったのだが、まだまだ残暑厳しいこの日の徒歩は、否応無しに大量の汗をかいた。
 しかし道中、坂道はほとんどなく、景色はのどかな田園風景なので、それほど体力の消耗はなかった。
 牛小屋の巨大な牛や、トビの群れが田畑から飛び立つのを眺めながら歩いていると、 遠くのほうに、あきらかに周囲の建物と雰囲気が違う檜皮葺屋根の建物が見えてきた。

国宝・金蓮寺弥陀堂である。
 境内に入ると、観光客は私以外誰もおらず、いたのはベンチで談笑する地元の老人たちだけだった。
 地元民にとってここは、国宝の寺院というよりは、憩いの場といった感じだろうか。  観光という側面だけで見れば、金蓮寺と先ほどの久能山東照宮とは、真逆の存在といえるだろう。
 その地元民たちは、見慣れない観光客である私が境内に入った瞬間、ほんの少し会話が止まったが、 またすぐに談笑を始めていた。

さて、国宝・弥陀堂についてであるが、一目見て感じたのは、その左右非対称性である。
 国宝に指定された寺院建築の大多数は、左右対称を基本とするものが多い。  しかしこの金蓮寺弥陀堂に関しては、その屋根の左右非対称の曲線により、周囲のあらゆる方向から見ても、左右対称に見える角度は全くないのである。
 だが、そのことによって見る角度によって様々な形状をおりなし、独特の美しさを醸し出している。
 先ほど拝観した久能山東照宮の煌びやかな社殿に比較すると、金蓮寺弥陀堂は、見た目がたいへん地味であるが、 その建造物の形状だけで美しいと感じることができるということは、ある意味本物の美しさといえるのかもしれない。
 というわけで、上記チャート図の、「美しさ」の項目は、満点にした。

金蓮寺弥陀堂の美しさを堪能した私は、再び40分ぐらいかけて吉良吉田駅へ戻っていき、 再び電車に乗り込み、この日最後の目的地である、笠覆寺多宝塔の最寄駅をめざした。


初回訪問日&撮影日 2016年09月14日

(※国宝建造物撮影ポイント)
外観撮影自由




アクセス
名古屋鉄道西尾線「吉良吉田」駅から徒歩で約40分

駐車場 有

国宝建造物巡礼ドライブ難易度(★★)

(★)・・・・・・・・・・非常に易しい
(★★)・・・・・・・・易しい
(★★★)・・・・・・ふつう
(★★★★)・・・・難しい
(★★★★★)・・非常に難しい

国宝巡礼おすすめアクセス方法
駅から遠めなので自動車によるアクセスがおすすめ。


西尾市吉良町饗場七度ヶ入1

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