国宝 明通寺三重塔 (福井県小浜市)


明通寺
三重塔
国宝
1270年(文永7年)

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2014年05月05日撮影

2010年12月11日撮影

(歴史)

明通寺は、大同元年(806年)、坂上田村麻呂によって創建されたと伝えられる。  現存する本堂、三重塔は鎌倉時代中期、13世紀のもので、中興の祖である僧・頼禅によって復興されたものである。
 国宝・三重塔は、文永7年(1270)に再建されたもので、三間三層、桧皮葺屋根。 総高22.26mの大型の三重塔である。


実験的企画 国宝建築評価チャート図

国宝建築の能力値をサイト管理人が独断と偏見で点数化

(※)評価基準

○歴史 建造物の建立された年代の古さを点数化したもの。
 飛鳥時代以前(20点)、奈良時代(19点)、平安時代(18点)、 鎌倉時代(17点)、南北朝時代(16点)、室町時代(15点)、戦国時代(14点)、安土桃山時代(13点)、江戸時代前期(12点)、 江戸時代後期(10点)、明治時代(8点)、大正時代(6点)、昭和時代前期(5点)、昭和時代後期(3点)、 平成時代以降(1点)

○迫力 建造物の巨大さ、あるいは見た目の迫力を点数化したもの。

○美しさ 見た目の美しさを点数化。

○希少性 その意匠や形式などが同じ分類である建造物の現存例の少なさを点数化。

○おすすめ度 管理人のおすすめ度を点数化。主に観光満足度、その他、インパクトなどを重視。

以上はすべて、正式なものではなく、管理人の独断と偏見による評価である。


(第1回2010年12月11日訪問時 国宝建造物訪問日記)

明通寺三重塔と本堂は30年ごとに、桧皮屋根葺き替え工事を行っており、 この日は三重塔のその工事が終わり、かねてより待ち望んだ国宝三重塔拝観だった。
 ただし、三重塔工事終了と同時に、本堂の工事が始まっていたので、『本堂越しに見上げる三重塔』という、 明通寺三重塔が最も美しく威厳に満ちた姿に見える構図の写真を撮れなかったのが残念である。
 しかし、まだ一度もこの三重塔を拝観したことが無かった私は、その日本最美の三重塔を一日も早く拝観したかったので、 今回はそうなることも承知の上で、待ちわびての参拝だった。
 国宝・明通寺三重塔は、同じく国宝の明通寺本堂が揃ってこそ、他のどの国宝仏塔をも凌駕するほどの美しさ、荘厳さを醸し出すだろう。 その姿を拝むのは再来年までのおあずけということとして、私は明通寺を後にした。


(第2回2014年05月05日訪問時 国宝建造物訪問日記)

・・・と、他のどの国宝仏塔をも凌駕するほどの美しさ、荘厳さを醸し出すという、明通寺本堂と三重塔、両国宝建造物が、 揃った光景を拝観するのを心待ちにすること、実に、三年と六ヶ月・・・。
 本堂工事終了後もずいぶんと月日が流れたが、やっとこの日、明通寺の参拝をする機会を得た。
 その間に、山形県の国宝、羽黒山五重塔を拝観したことにより、一応は、全国国宝仏塔すべての拝観を終了してはいたのだが、 正直なところ、私の心の中での達成感というものは皆無であり、何か残尿感に等しい中途半端な気持ちが芽生えていたのは事実だ。
 その残尿感に等しい気持ちを私に芽生えさせていたのは、他ならぬこの『明通寺三重塔』の存在だった。
 先の日記でも述べたが、この明通寺三重塔は、同じく国宝の明通寺本堂と揃ってこそ、国宝仏塔としての意義があるのである。
 もちろん、それぞれ片方だけでも十分に価値があるのは言うまでもない。 だが、明通寺の寺院風景、 『本堂越しに見上げる三重塔』を語る上で、本堂と三重塔は、切っても切れない関係なのだ。
 明通寺以外にも、仏塔と本堂、両方が国宝に指定された寺院は、西明寺や、常楽寺、長保寺、明王院、浄土寺など、数多い。
 しかし、明通寺ほど、本堂と仏塔が流麗な一体感を形成し、荘厳な寺院空間を醸し出している寺院は他に無いだろう。

気づいたら、私の感じていた残尿感などとっくに消え失せていた。  そして、三重塔と本堂が合わさることによって作り出されるその荘厳な寺院空間に、どっぷりと身を置くことにより、 気が遠くなるような長い年月の間、脈々と維持管理されてきたその美しい風景の歴史の重みを、いつまでも感じ続けていた。


訪問日&撮影日 (1回目)2010年12月11日 (2回目)2014年05月05日

(※国宝建造物撮影ポイント)
外観は自由に撮影可能

@山門(市指定文化財)2010年12月11日撮影

初回訪問時は、本堂が拝観できなかったとはいえ、申し分の無い天気だった。


A修理中の本堂越しに見上げた三重塔
2010年12月11日撮影

本堂が工事中なのは承知のうえだったとはいえ、まさかここまで巨大な工事ネットが張られているとは思っていなかった。  それは工事中でない三重塔の拝観にも大きく影響し、三重塔の真下へ行かなければまともに撮影できなかった。


B後ろから見た国宝三重塔 2010年12月11日撮影分

仕方がないから真後ろから撮影するも、本堂の工事用ネットが背後に写りこんでしまう。


C昭和の解体修理まで頂を飾っていた宝輪
2010年12月11日撮影

工事中本堂の内部は拝観可能だった。 住職の方に本尊薬師如来坐像(重文)などの説明を受けた後に、撮影の許可をもらい、内部にあった宝輪を撮らせてもらった。  その後、本堂工事のために1500円の寄付をする。


D山門(市指定文化財)
2014年05月05日

二度目の訪問時。 一度目の訪問時よりも、ワクワクしながらこの山門をくぐった。


E工事が終わった本堂(国宝)
2014年05月05日撮影

受付を済まして中へ進むと、木々の間から前回は見れなかった国宝本堂が見えてきた。 そのあまりの美しさに思わず息を飲んだ。


F本堂(国宝)
2014年05月05日撮影

正面から撮影。 


G三重塔(国宝)
2014年05月05日撮影

この角度からの三重塔は、前回は工事用ネットで全く見れなかった。

交通アクセス

JR小浜線「東小浜駅」からあいあいバスで約9分

JR小浜線「小浜駅」からタクシーで10分

駐車場有

仏塔巡礼ドライブ難易度 非常に易しい(★)

★1つ→非常に易しい
★2つ→易しい
★3つ→ふつう
★4つ→難しい
★5つ→非常に難しい

仏塔巡礼おすすめアクセス方法
バスの本数が少ないので、自動車で行くのがおすすめである。

住所 福井県小浜市門前5-22



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