(歴史)
794年、桓武天皇が平安京へ遷都した際に、羅城門の東西にそれぞれ大寺を置いた。
その一つ、この東寺は、現在ももとの場所にそのまま残っていて、一級史跡に指定され、世界遺産にも登録されている。
東寺が歴史的に本格的に活動を開始したのは、弘法大師が嵯峨天皇により下賜され、造営を始めた頃であり、
以後、真言密教の根本道場として栄えてきたが、その歴史の中で幾度も台風、雷火、兵火などの
災害を受けることになる。 しかしその都度、民衆の信仰の力によりその堂塔が再建されてきたという。
本坊西側、壬生通りに面して建つこの蓮花門は、鎌倉時代再建の八脚門であり、平安時代に空海がこの門をくぐって高野山へ旅立ったと伝わる。
実験的企画 国宝建築評価チャート図
国宝建築の能力値をサイト管理人が独断と偏見で点数化
(※)評価基準
○歴史 建造物の建立された年代の古さを点数化したもの。
飛鳥時代以前(20点)、奈良時代(19点)、平安時代(18点)、
鎌倉時代(17点)、南北朝時代(16点)、室町時代(15点)、戦国時代(14点)、安土桃山時代(13点)、江戸時代前期(12点)、
江戸時代後期(10点)、明治時代(8点)、大正時代(6点)、昭和時代前期(5点)、昭和時代後期(3点)、
平成時代以降(1点)
○迫力 建造物の巨大さ、あるいは見た目の迫力を点数化したもの。
○美しさ 見た目の美しさを点数化。
○希少性 その意匠や形式などが同じ分類である建造物の現存例の少なさを点数化。
○おすすめ度 管理人のおすすめ度を点数化。主に観光満足度、その他、インパクトなどを重視。
以上はすべて、正式なものではなく、管理人の独断と偏見による評価である。
(国宝建造物訪問日記)
10月も半ばにさしかかったこの日。 今夏の殺人的暑さもようやく落ち着いてきたので、3ヶ月ぶりの国宝建造物巡りをすることにした。
今回の訪問先はかねてより、京都市内の未訪問11件の国宝建造物と決めていたのだが、いかんせん訪問先が多いので、交通手段をどうするか調べていたところ、
京阪電車でこの時期、『京阪みやこ漫遊チケット』という一日フリー乗車券が販売されていることを知った。
この乗車券は、販売価格1600円で、京阪線全線、京都市営地下鉄・市バス全線などの区間が、一日乗り降り自由という、大変お得な乗車券である。
特に今回の私のように、交通量の多い京都市内の史跡を、一日で数多く巡る場合にこのチケットはうってつけである。
もともと私はバス移動が嫌いで、これまで京都に来た時も、極力バスは利用しないで、少しの距離なら無理やり歩いたりしていた。 その最大の理由の一つが、十円単位での小銭を用意しなければならないことだ。
何年か前に長野県青木村の大法寺へ行ったとき、千曲バス青木線の降車時に小銭の両替にもたついていると、仏頂面の運転手に露骨に嫌な顔をされたことは、今でも軽いトラウマだ。
しかし『京阪みやこ漫遊チケット』を使えばそんな不安もノープロブレム。 カード挿入口にチケットを通すだけで、ハヤテのごとく目的地へ降りて行ける。
そもそも京都市バス運転手は、市バス利用者に外国人を含めた観光客が多いためか、大変親切であり、地元の常連客しか相手にしない田舎者のバス運転手のように、両替に多少もたついたくらいで嫌な顔をしたりはしない。
そして京都市バスの魅力は何よりもその路線の数とバスの本数だろう。 京都市バスの路線は、田舎のバス路線とは違って、市内中心部を網の目のように走っているため、
主要観光地のほとんどを網羅している。 しかも、ほとんどの路線が分単位で運行しているため、それほど待たされず、目的地から目的地へスムーズに移動できるということだ。
・・・とまあ、『京阪みやこ漫遊チケット』のお得感を力説するのはこのくらいにして、本題の『東寺蓮花門』に入ろうと思う。
この日最初の目的地である国宝『東寺蓮花門』へは、まず自宅最寄りの京阪本線の某駅で『京阪みやこ漫遊チケット』を購入後、京阪電鉄『東福寺駅』下車。
そして、市バス『東福寺バス停』から202番系統のバスに乗り、『東寺南門前バス停』で降りて徒歩2分ほどでやってきた。
この門は東寺の西側はずれの目立たない場所にあるが、バス停からは近い。 私は東寺へは何度も足を運んでいるのだが、その国宝建造物の中で
この蓮花門だけはスルーしていた。 おそらく観光客の大半はこの門の場所までわざわざ来ないのではないだろうか。 しかし東寺でも屈指の古さを誇るこの門は大変貴重なものであり、
東寺へ来たなら是非とも立ち寄るべきところだろう。
蓮花門を見た後、私は東寺の他の国宝建造物を拝観するために、南大門の方へ歩を進めた。
次の目的地は、東寺金堂(国宝)である。
初回訪問日&撮影日 2013年10月16日
(※国宝建造物撮影ポイント)
境内の外からは自由に撮影できる。
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