随念寺は1562年に徳川家康が創建した寺院で、家康の祖父である松平七代清康の妹、久子の
墓がある。久子は、家康が生母於大と生き別れて以来、家康を養育した人物であるため、
幕府の庇護が厚く、城の防衛拠点としての名残を今も残している。
この三重塔は、2011年に完成したばかりの新しいもので、
「忍耐」「希望」「夢」の三つの願いが込められているという。
(仏塔訪問日記)
この日は、青春18きっぷを使って、友人と二人で大阪の自宅から愛知県岡崎市へやって来た。
もちろんこの随念寺参拝のみのためにわざわざ来たわけではなく、まず岡崎城を見学して、そこから徒歩でこの随念寺へ立ち寄り、帰りに名古屋城を見学するというルートである。
本当は、名古屋市南区の『笠覆寺多宝塔』もコースに入れていたのだが、この日はJR木曽川駅で人身事故があり、
仏塔訪問はこの随念寺のみとなってしまった。
おまけにこの日は天気も最悪で、あまり満足のいく写真も撮れなかったのが残念である。
三重塔は2011年に完成したばかりの新しいもので、墓地の背後の丘に聳える姿は、京都の金戒光明寺の三重塔を
思い出した。 かなり本格的な造りのもののようだが、近くまで入ることはできず、
どちらかといえば観光のために建てられたものではないようだ。
写真を撮るなら天気のいい日に望遠レンズで遠くから撮影することをおすすめする。
ちなみに今回、青春18きっぷを利用して無理やり連れてきた友人であるが、「岡崎城や名古屋城はともかく、
なんであんな長い距離を歩いて、わざわざこんな街中にある普通のお寺へ連れてくるのだろうか?」とでも言いたげな表情だった。
一般人には仏塔巡りというのは、なかなか理解しがたい趣味のようである。