(歴史)
東山スカイタワーは、名古屋市制施行100周年を記念し、平成元年7月に開館した。
その高さは134m(展望室100m)だが、80mの丘の上に建っているので、
海抜での高さは214m(展望室180m)にも及び、中央アルプス・御嶽山・伊吹山など遠方に広がる山々が見えるうえ、
周辺に高い建物が無いので、名古屋駅、テレビ塔、ナゴヤドーム、名古屋港といった名古屋市内の観光スポットも
眺めることが出来る。
また東山スカイタワーは、名古屋市内の防災行政無線の中継基地になっており、14基のパラボナアンテナで
市役所と各区役所、消防署を結び地震等の災害時に非常連絡として活躍している。
(タワー訪問日記)
この日は全日本タワー協議会加盟タワーのうち、セントラルブロックの三つのタワー、
(ツインアーチ138、名古屋テレビ塔、東山スカイタワー)を巡るために、 電車に乗って愛知県までやって来た。
まずはツインアーチ138→名古屋テレビ塔の順で見学した後、名古屋城(2回目)を見学し、
名古屋地下鉄「市役所駅」から「栄駅」まで行き、名古屋地下鉄東山線(藤が丘行)に乗り換え、
「東山公園駅」へ。
地上へ上がるとすぐに、数百メートル前方で聳える東山スカイタワーが目に入ってきた。
そのタワーのある方向へ歩いていくと、東山動植物園正門に到着。
東山スカイタワーは、東山動植物園の同じ敷地内にあるので、動植物園スカイタワー共通券(640円)を購入した。
私はもともと、東山動物園の記念メダルが欲しかったので、共通券を購入することに何の抵抗も無かったが、
スカイタワーのみの入場券(300円)も存在する。 ただし、それを買うと、
動植物園に入れないばかりか、少し遠回りしてタワー側の入口に行かなければならない。
たかだか340円の違いでそこまで体力を使いたくなかったのと、そもそも、動物園の入園料がタワー込で
大人640円(動植物園のみなら500円)とは、破格の安さである。
私は家族連れの列に並んで、チケットを購入し、正門から入場。 この際、時間もあることだし、
動植物園をとことんまで楽しむことにした。
ところで、東山動植物園の入園料500円は、本当に割安なのだろうか。
他の有名動物園の入場料も調べてみたら、東京の上野動物園が一般600円で、
大阪の天王寺動物園が大人500円と、どの動物園も大差なく入園料は安いようである。
動物園では、象やコアラなどを筆頭に、莫大な餌代がいることで知られているし、
多くの動物たちの飼育費用もばかにならないだろう。
それを長い年月、このような良心的な価格の入園料を設定しているなんて、本当に頭の下がる思いだ。
それに対して、人気水族館は、動物園以上に費用がかかるからなのかどうなのかわからないが、
どこも入館料が2000円以上と、高めに設定されているように思える。
以前に行った海峡ゆめタワー近くにあった海響館という水族館は、入館料が2000円だった。
そこでも記念メダルを販売しているので、
立ち寄るかどうか寸前まで迷っていたのだが、結局、記念メダルを買うためだけに2000円の入場料を支払うのは
あまりにもキツく感じてしまい、立ち寄るのをやめたこともある。
ちなみに全国主要水族館の入館料は、大阪の海遊館が、大人2300円、千葉の鴨川シーワールドは、大人2800円、
三重県の鳥羽水族館は、大人2500円と、一定規模以上の水族館は、ほとんどが2000円オーバーで、
動物園の入園料の4倍前後であることを考えると、海響館の2000円という入館料は決して高いものではなかったようだ。
とにもかくにも、そのような良心的な価格設定に心の中で感謝しつつ、動物園内をくまなく見学。
気づいたら入園から1時間以上経っていたので、あわててスカイタワーの方へ行き、
展望台に上って風景を楽しんだ。
この場所は名古屋市内ではあるが、
JR名古屋駅周辺の200m級の高層ビル群や、先ほど立ち寄った名古屋テレビ塔がとても小さく見え、
遥か遠くに感じた。 私にとって最も身近な政令指定都市である大阪市内だと、
梅田の高層ビル群や、あべのハルカスは、市内のどこから見ても、ここまで小さく見えない気がする。
このことにより、名古屋市の面積の巨大さを実感できたわけだが、
全国に20ある政令指定都市の中で、名古屋市の面積は第何位かというと、
第17位の大阪市(225.21)よりは広いものの、15位(326.45)と、圧倒的に広いわけではない。
ちなみに、20政令指定都市の中で最も広いのはどこなのだろうか。
私は巨大な北海道にある札幌市あたりが当然のごとくダントツで広いのかと思っていたのだが、
札幌市は第3位(1,121.26)である。
札幌市を凌ぐ広さの政令指定都市は、第1位の浜松市(1,558.06)と、第2位の静岡市(1,411.90)である。
どちらも静岡県の政令指定都市だが、浜松市、静岡市共に、大阪市の6倍以上の面積を有することになる。
大阪府全体の面積が1899kuしかないことを考えたら、浜松市だけで大阪府全体とそれほど差がない広さだということになる。
私は浜松市、静岡市の広さがどうこうよりも、大阪市のあまりの狭さに驚いた。
以前大阪では、大阪都構造により、大阪市と周辺市(主に堺市)を合併させ、今の大阪市よりも遥かに巨大な面積を有する『大阪都』
とするという構想がでたが、堺市長選での維新の会の敗北により、合併の話は無くなってしまったという過去をもつ。
ここからは私個人の意見だが、私はその大阪都構想に大賛成だった。
その構想の中でも特に、廃案になってはしまったが、
現在の大阪市の市域を拡大するために周辺市を合併する案は、絶対に実現して欲しいと思っていた。
私は大阪市民ではなくて、大阪府民なのだが、大阪府は全都道府県の中で二番目に小さい面積なのに、
市町村を細かく分けすぎな気がするのである。
特に大阪市に関しては、大阪府内では最も広いとはいえ、県庁所在地としてはあまりにも狭すぎるため、
人口密度は20政令指定都市中、第一位であるにもかかわらず、
人口は一位の横浜市に大きく水をあけられていて、三位の名古屋市と大差ない数値になっている。
だから堺市他、周辺の都市を合併して横浜市以上の人口を有する『大阪都』を形成するという考えは、
大変理にかなっていると思うのだが、現状維持を良しとする野党や、主に年寄りの有権者たちの猛反発により、
その案は廃案になってしまった。
世界各地の大都市の巨大さを測る指標は、結局は人口の多さ、ひいてはGDPに行き着く。
だから大阪府も、東京23区のように、府の面積の大半を占める『大阪都』と形成することにより、
世界有数の人口、GDPを誇る巨大都市が誕生していたはずなのだが、
そのチャンスを野党や高齢者たちが自ら閉ざしてしまったのは残念というほかない。
以上、本題から大幅に話が逸れてしまったが、スカイタワー有する東山動植物園が、
大変楽しい場所であったことは間違いない。
さて、これでこの日の目的地はすべて巡ったわけだが、実は時間があればもう一箇所行きたい場所があった。
それは、愛地球博記念公園である。 この場所は、愛地球博が開催された2005年に何度か行ったことがあった。
現在は一体どうなっているのだろう。 ワクワクしながら、名古屋地下鉄東山線(藤が丘行き)に乗り込み、
藤が丘駅に到着。
そこからリニモ(八草行き)に乗り換え、愛地球博記念公園駅へ向かった。
初回訪問日&撮影日 2018年02月02日