耕三寺五重塔 Kosanji Temple

1935年(昭和10年)から伽藍の建立が始められた浄土真宗本願寺派の仏教寺院で、日本各地の古建築を模して建てられた堂塔が建ち並び、「西の日光」とも呼ばれる。
 大正昭和期に大阪で活躍した実業家、耕三寺耕三が母親の死後、母への報恩感謝の意を込めて、自ら僧籍に入り菩提寺として昭和10年より生涯を掛けて建立したという。
 この五重塔は、室生寺五重塔を模したもので、心柱は鉄製。1955年に完成した。


(仏塔訪問日記)

岡山と広島、13仏塔巡りの最後に来たのがこの寺院である。
駐車場代500円を払って受付に行くと、参拝料金1500円の文字が・・・。友人はその金額に心が折れてしまったらしく、駐車場の車の中へ戻って行った。 私はせっかく大阪からここまで来たのだから、迷わず参拝料を支払い一人で中へ入った。

すると、日光東照宮や室生寺法隆寺など数多くの寺院の有名建造物が目に入ってきた。それらは極彩色で彩られ、 昭和の技術をもってオリジナルをも凌駕するほどのインパクトを醸し出しており、五重塔や多宝塔だけ 取って見ても、日本各地で近年に再建された、数多くのコンクリート造の仏塔とは一線を画するものであることが 分かった。
 日本各地には、財を成した実業家が、自費で巨大寺院や観音像などを建てて、失敗した例がかなり存在するが、 そんな中で、この耕三寺は、最も成功した例と言えるのではないだろうか。

自邸に各地から文化財クラスの歴史的建造物を集めた、横浜市の三渓園創始者、原三渓氏もすごいと思ったが、 国宝クラスの建造物をもとに、昭和の技術をもって、原作をも超えるほどの華麗な建造物群に仕上げた、耕三寺耕三氏 も負けずにすごい人物である。


初回訪問&撮影日 2010年08月16日





交通アクセス

JR山陽本線「三原駅」から徒歩7分の三原港より船で、瀬戸田港下船、徒歩10分

駐車場有

仏塔巡礼ドライブ難易度 易しい(★★)

★1つ→非常に易しい
★2つ→易しい
★3つ→ふつう
★4つ→難しい
★5つ→非常に難しい

住所

広島県尾道市瀬戸田553-2
おすすめアクセス方法

島内は道がいいので自動車が楽である。