国宝 光明寺 二王門 京都府綾部市


光明寺
二王門
国宝
1248年(宝治02年)

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(歴史)

寺伝によると光明寺は、推古天皇7年(599)、聖徳太子により建立され、後に役小角がこの地で修行し、 延喜年間(10世紀初)に、醍醐寺開祖の聖宝理源大師によって、真言密教の道場として再興されたという。
 その後、数多くの坊舎をかかえる大寺院となるが、大永7年(1527)の兵火によって、二王門を除く全山が 焼失した。
 天文2年(1533)、上羽丹波守が大施主となって再建したが、天正年間の戦乱で再び焼失。
 本堂は天宝7年(1836)に再建され、本尊千手観世音菩薩をまつる。
 真言宗醍醐派に属し、正式名称は君尾山光明寺。

国宝・二王門は、昭和25年から行われた解体修理の際に、柱上の墨書銘により、宝治2年(1248)に竣工したことが判明した、  類例の少ない鎌倉時代の和様系二重門の遺構である。 用材はほとんどが杉材で、三間一戸二重門である。
 全体的に和様を基調としつつも、頭貫の木鼻は大仏様とする。 二王像を門の正面側でなく後の間に安置する点は珍しい。


実験的企画 国宝建築評価チャート図

国宝建築の能力値をサイト管理人が独断と偏見で点数化

(※)評価基準

○歴史 建造物の建立された年代の古さを点数化したもの。
 飛鳥時代以前(20点)、奈良時代(19点)、平安時代(18点)、 鎌倉時代(17点)、南北朝時代(16点)、室町時代(15点)、戦国時代(14点)、安土桃山時代(13点)、江戸時代前期(12点)、 江戸時代後期(10点)、明治時代(8点)、大正時代(6点)、昭和時代前期(5点)、昭和時代後期(3点)、 平成時代以降(1点)

○迫力 建造物の巨大さ、あるいは見た目の迫力を点数化したもの。

○美しさ 見た目の美しさを点数化。

○希少性 その意匠や形式などが同じ分類である建造物の現存例の少なさを点数化。

○おすすめ度 管理人のおすすめ度を点数化。主に観光満足度、その他、インパクトなどを重視。

以上はすべて、正式なものではなく、管理人の独断と偏見による評価である。


(国宝建造物訪問日記)

この日は、福井県小浜市の明通寺で、国宝・本堂三重塔を参拝後、そこから40〜50km程度離れた場所にある 京都府綾部市の光明寺を目指して車を走らせた。
 この日はゴールデンウィーク最終日の前日ということもあり大渋滞を予想していたが、道中の舞鶴若狭自動車道は、 びっくりするぐらい空いており、あっという間に駐車場へ到着した。 私は駐車場に車を止め、山道を登っていくと、 5分程度でメインの国宝・二王門に到着。 周囲に本堂など他の堂塔は無く、二王門だけがポツンと建っていた。
 この二王門は、昭和25年に解体修理が行われたようだが、長い年月この山奥の寂しい場所で 厳しい風雪に耐えてきたために、大破寸前だったという。  その時に修理されたとはいえ、細部を見ると傷みが激しく、改めてこの地の環境の厳しさが分かった。

私は二王門の見学を終え、せっかくだから更に奥の本堂がある場所まで歩いて行ったのだが、 その道中、他の参拝客は誰もおらず、その代わりに何度か野生の鹿に出くわした。
 野生の鹿から見たら、私のような見慣れない人間は恐怖の対象なのだろうか? 私の存在に気づくなり、一目散で山奥へ逃げていった。
 しかし正直なところ、こんな寂しい山の中を一人で歩いている時に、不意に巨大なケモノに出くわした私の方が、何倍も恐ろしかったであろうことは言うまでもない・・・。

そしてしばらく歩いているうちに、本堂へ到着。 本堂周辺では、スポチャン?か何かやっているグループがいたので、あまり長居はせず、 本堂その他の写真を撮った後、本堂を下り、 また来た道を引き返して駐車場へ帰ってきた。

ここで本日の予定はすべて終了したのだが、時計を見るとまだ3時30分。 せっかくだから、麓にあったあやべ温泉に立ち寄って、温泉に入り汗を流した後、 食堂でご当地バーガーを食べた。 そのご当地バーガーも写真に撮ってここで紹介しようとも思ったが、女子高生ならともかく、 私のようにいい歳こいたおっさんが一人、喜んで食べ物の写真を撮ってる姿も少し恥ずかしい・・・。 私はご当地バーガーを食べ終えると、あやべ温泉をあとにし、自宅のある大阪へ向かって車を走らせた。 帰りは鬼のような渋滞だった。


初回訪問日&撮影日 2014年05月5日

(※国宝建造物撮影ポイント)

外観は自由に撮影可能


@光明寺二王門へ徒歩5分程度で行ける駐車場

あやべ温泉前道路から舗装された道路を2km程度登っていくと、この広々と整備された駐車場へ行き着く。
 カーナビなどを利用すると、君尾山中腹、光明寺本堂に近い方の駐車場を案内することが多いが、 そこへ行くには道幅が狭く離合困難な道が続く。 しかも二王門から遠くなってしまうので絶対におすすめしない。


A駐車場から石段を登り最初に見えてくるお堂


B二王門(国宝)


C二王門(国宝)


D二王像


E後ろから見た二王門


F本堂(京都府指定文化財)


G地蔵堂


H宝篋印塔(綾部市指定文化財)

無銘ではあるが、細部にわたって丁寧に仕上げられた南北朝時代の優れた石塔である。


Iあやべ温泉

アクセス 山陰本線 綾部駅から、あやバス上林線で40分、「あやべ温泉前」下車、徒歩40分

駐車場 有

仏塔巡礼ドライブ難易度 ふつう(★★★)

★1つ→非常に易しい
★2つ→易しい
★3つ→ふつう
★4つ→難しい
★5つ→非常に難しい

おすすめアクセス方法

バス停から遠いので自動車がおすすめ。
 自動車で行く場合、山頂近くと、二王門近くにそれぞれ駐車場があるのだが、 山頂近くの駐車場へ続く山道はかなり狭く、離合困難な場所も多い。 しかも二王門まで遠い。  それに対して、二王門近くの駐車場へ続く道路は整備されていて駐車場も広々しているので、こちらの利用がおすすめである。



住所
京都府綾部市睦寄町


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