国宝 園城寺(三井寺)勧学院客殿 滋賀県大津市




園城寺(三井寺)
勧学院客殿
国宝
1600年(慶長05年)

(※)通常内部非公開のため、写真上は塀の外から撮影したもの。 写真下は雑誌広告より。

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(歴史)

三井寺は7世紀に大友氏の氏寺として草創され、9世紀に円珍によって再興された。 その後、比叡山延暦寺との対立抗争が激化し焼き討ちされたり、 秀吉に寺領を没収されたりと幾度か危機を迎えるも、その都度再興されてきた。

勧学院客殿は、桁行七間、梁間七間、一重、入母屋造、妻入で、東正面に軒唐破風をつけ、 また、桁行一間、梁間一間、一重、切妻造の中門を設けた総柿葺の建造物である。  その外観は、光浄院客殿とほぼ同じだが、規模が少し大きく内部は、光浄院が二列からなるのに対して、 三列の九室からなっている。
 慶長5年(1600)に建てられたもので、内部の壁や襖は鮮やかな障壁画が描かれており、桃山時代の 書院造として貴重なものである。


実験的企画 国宝建築評価チャート図

国宝建築の能力値をサイト管理人が独断と偏見で点数化

(※)評価基準

○歴史 建造物の建立された年代の古さを点数化したもの。
 飛鳥時代以前(20点)、奈良時代(19点)、平安時代(18点)、 鎌倉時代(17点)、南北朝時代(16点)、室町時代(15点)、戦国時代(14点)、安土桃山時代(13点)、江戸時代前期(12点)、 江戸時代後期(10点)、明治時代(8点)、大正時代(6点)、昭和時代前期(5点)、昭和時代後期(3点)、 平成時代以降(1点)

○迫力 建造物の巨大さ、あるいは見た目の迫力を点数化したもの。

○美しさ 見た目の美しさを点数化。

○希少性 その意匠や形式などが同じ分類である建造物の現存例の少なさを点数化。

○おすすめ度 管理人のおすすめ度を点数化。主に観光満足度、その他、インパクトなどを重視。

以上はすべて、正式なものではなく、管理人の独断と偏見による評価である。


(国宝建造物訪問日記)

園城寺へ参拝に来たのは今回が二回目。 初めて参拝へ来たのは3〜4年前で、その時は三重塔(重文)や、金堂(国宝)ぐらいしか 撮影しなかったので、今回は前回撮り残したすべての国宝指定建造物と、重要文化財指定建造物を撮影することを目的に、 琵琶湖の竹生島へ行った帰りに立ち寄ってみた。
 で、そのすべての指定建造物を撮影できたのかというと、結果から言わせていただくと、国宝1棟と重文2棟、合計3棟の建造物がまともに撮影できなかった。
 その国宝1棟が、この勧学院客殿である。 この建物は通常、非公開で、拝観したければ数日前に往復はがきを送って、 拝観の申し込みをしなければならないのだが、私はこの日、竹生島観光へ行った帰りにたまたま、立ち寄っただけだから、 もちろん事前申し込みなどしていない。
 で、同じように非公開で申し込みが必要な国宝建造物・光浄院客殿に関しては、 非公開とはいえ、門の隙間から綺麗に撮影ができたのだが、勧学院客殿に関しては、門から建物が離れており、 門から先は絶対立ち入り禁止。 その上、建物周囲は高い塀で厳重にガードされており、 外からでは屋根の上部しか見えないのである。 その状態で無理やり撮影した結果が、一番上の写真である。

200棟以上ある各地の国宝建造物の中には、勧学院客殿と同じく、非公開のものがいくつか存在し、 その中には勧学院客殿のように、事前申し込みや、特別公開すらされていないものもある。  それらに比べれば勧学院客殿なんて、申し込んだら見せてもらえるだけ良心的な方だと思うが、私がちゃんとした形で事前申し込みをして、 再び園城寺へやって来るのは、随分先の話になると思う。
 おそらく、拝観可能な国宝建造物を全て行き尽くした時に、『おい! 外から屋根の写真を撮っただけでは、 勧学院客殿へ行ったことにはならないぞ! ハイ、やり直し!』・・・・・・っていう、誰かの声が心の中で聞こえてきた時に、 初めて事前申し込みを考えることになる気がする。
 何にせよそれは、気が遠くなるくらい先の話になるであろう・・・。

最後にこの勧学院客殿を見た感想は、「高くて頑丈そうな塀だな〜・・・。」 である。


初回訪問日&撮影日 2013年11月22日

(※国宝建造物撮影ポイント)

普段は非公開のため、柵の外側からしか撮影できない。 拝観を申し込むか、 特別公開の時期に来れば、建物の外観だけなら撮影できるようである。


@閼伽井屋(重要文化財)

天智、天武、持統天皇が産湯に用いられたという泉が涌いている。 泉を護る覆屋は、慶長5年(1600)の建立。


A弁慶の引摺鐘(重要文化財)

奈良時代の梵鐘で、俵藤太秀郷が三上山の百足退治のお礼に竜宮から持ち帰ったと伝わる。


B一切経蔵(重要文化財)

もともとは室町時代初期に建てられたもので、慶長7年(1602)、毛利輝元によって山口県の国清寺より移築、寄進されたものである。  堂内には回転式の八角輪蔵がある。


C唐院灌頂堂(重要文化財)

唐院は、開祖・円珍和尚の廟所として、園城寺内で最も神聖な場所とされる。 唐院の名は円珍が入唐求法の旅から 持ち帰った経典類を納めていたことに由来。 灌頂堂は、寺流の密教を伝承する道場である。


D長日護摩堂(滋賀県指定文化財)

護摩堂は、桁行三間、梁間三間、一重、宝形造、本瓦葺で、灌頂堂と渡り廊下によってつながる。  建立年代は分かっていないが、大師堂、灌頂堂より後に建てられたといわれている。


E大師堂(※)奥の建物(重要文化財)

勧学院同様、非公開のため、まともに撮影できなかった建造物の一つである。
 慶長3年(1598)の再建で、国宝・智証大師像、重文・黄不動尊立像をまつる。 最も神聖な場所として、 その場所に近づくこともできない。 写真には写っていないが、もう一つの撮影できなかった建造物である唐門(大師堂手前にある)も重要文化財である。


F唐院四脚門(重要文化財)

四脚門は唐院の表門で、奥へ灌頂堂、唐門大師堂と、一直線に並ぶ最前列の位置にある。  屋根は切妻造桧皮葺である。 寛永元年(1624)の建立。


G毘沙門堂(重要文化財)

元和2年(1616)に建立された、極彩色に彩られた建造物。


H勧学院入口

勧学院は通常非公開のため、この門より奥へ進むことはできない。


I勧学院客殿(※)奥の屋根(国宝)

門の背後に、勧学院客殿の屋根が少しだけ見える。


J鐘楼(重要文化財)

慶長7年(1602)の再建。


K梵鐘(重要文化財)

近江八景「三井の晩鐘」で知られている。 宇治の平等院、高尾の神護寺とともに日本三銘鐘に数えられる。


L園城寺三重塔(重要文化財)

M園城寺金堂(国宝)

アクセス
京阪電鉄石山坂本線「三井寺駅」より徒歩10分

駐車場 有

仏塔巡礼ドライブ難易度 非常に易しい(★)

★1つ→非常に易しい
★2つ→易しい
★3つ→ふつう
★4つ→難しい
★5つ→非常に難しい

仏塔巡礼おすすめアクセス方法
どのアクセス方法でも問題ない

住所
滋賀県大津市園城寺町246


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