国宝 歓喜院 聖天堂(埼玉県熊谷市)






歓喜院
聖天堂
国宝
1760年(宝暦10年)

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(歴史)

寺伝によると歓喜院は、治承3年(1179)、この地方の庄司斎藤別当実盛が、本尊大聖歓喜天(聖天)を 総鎮守として祀る聖天宮を建立し、民衆の祈願所として開創したのが始まりとする。
 中世には忍城主の庇護を受け、近世初頭には徳川家康によって再興もされたが、 寛文10年(1670)の大火で焼失。 現存する聖天堂(本殿)は、享保から宝暦年間にかけた再建されたものである。

国宝・聖天堂(本殿)は、拝殿・中殿(相の間)・奥殿からなる廟型式権現造の建物である。  これは、日光東照宮などに見られる複数棟を一体とした建築形式であり、入母屋造、桁行3間・梁間3間、 正面向拝付きの奥殿と、両下造、桁行3間・梁間1間である中殿、入母屋造、桁行5間・梁間3間の拝殿という 3棟の建造物を接続して1棟の建造物としている。 屋根はすべて瓦棒銅板葺き。
 特にその奥殿は、内外ともに彫刻、漆塗、彩色、金具等をもって華麗に装飾する装飾性の高い建築であるが、 2003年から2010年にかけての屋根葺き替えと彩色修理を中心とする修理により、当初の彩色がよみがえったのだという。


実験的企画 国宝建築評価チャート図

国宝建築の能力値をサイト管理人が独断と偏見で点数化

(※)評価基準

○歴史 建造物の建立された年代の古さを点数化したもの。
 飛鳥時代以前(20点)、奈良時代(19点)、平安時代(18点)、 鎌倉時代(17点)、南北朝時代(16点)、室町時代(15点)、戦国時代(14点)、安土桃山時代(13点)、江戸時代前期(12点)、 江戸時代後期(10点)、明治時代(8点)、大正時代(6点)、昭和時代前期(5点)、昭和時代後期(3点)、 平成時代以降(1点)

○迫力 建造物の巨大さ、あるいは見た目の迫力を点数化したもの。

○美しさ 見た目の美しさを点数化。

○希少性 その意匠や形式などが同じ分類である建造物の現存例の少なさを点数化。

○おすすめ度 管理人のおすすめ度を点数化。主に観光満足度、その他、インパクトなどを重視。

以上はすべて、正式なものではなく、管理人の独断と偏見による評価である。


(国宝建造物訪問日記)

一泊二日の北関東史跡巡り2日目。

初日は午前中に都内で諸用を済ませた後、東村山市でレンタカーを借り、 正福寺地蔵堂(国宝)→川越城(日本100名城)→ 鉢形城(日本100名城)→金鑽神社多宝塔(重要文化財)と巡り、 群馬県藤岡市のビジネスホテルで一泊。

二日目のこの日は、早々にホテルを出発し、まずは 箕輪城(日本100名城)を巡った後、 富岡製糸場(国宝)へ行き見学。  そこから更に、栃木県の鑁阿寺 (日本100名城・足利氏館)まで車を走らせ、国宝・鑁阿寺本堂と 県指定文化財・鑁阿寺多宝塔を見学し終えた後、 更に日本100名城・金山城まで車を走らせ見学。  そしていよいよ今回の旅行で最後の訪問地である国宝・聖天堂を有する歓喜院までやってきた。

ところでこの歓喜院聖天堂であるが、国宝に指定されたのは平成24年(2012)と、比較的最近のことである。  この日、先に見学した、富岡製糸場の国宝指定も、 平成26年(2014)と最近であり、更に鑁阿寺本堂も、 平成25年(2013)に国宝指定されたばかりである。
 これらを考えるとここ数年の建造物の国宝指定は、関東勢が元気なようだ。

ところでこの国宝・歓喜院聖天堂(本殿)は、拝殿・中殿・奥殿からなる廟型式権現造であり、 国宝指定の際にテレビニュースなどで放映されて有名になった極彩色の彫刻は、柵の中の奥殿の部分にある。
 で、その奥殿の極彩色彫刻部分を柵の中に入って近くで拝観したければ、 入場料700円が必要となってくるのである。
 ちなみに柵の外からでも少しだけ極彩色の彫刻を見ることはできる。
 私はその入場料を支払って中に入るか、それとも、柵の外から見て終わりにするか少し迷ってしまった。
 もちろんここまで来て、入場料たかだか700円程度をケチったわけではない。  第一の理由は、ここであまりにゆっくり拝観していたら、帰省ラッシュに巻き込まれて、 東京駅19時30分発の新幹線に間に合わなくなる恐れがあることである。
 しかも中に入ると、ボランティアの方による説明がある場合があると聞いていたので、 そういうのを聞いていたらなおさら、時間なんてあっという間にすぎていくだろう。
 もうひとつの理由は、せっかく入場料を支払って柵の中に入っても、撮影禁止とかだったら 『撮り国宝』派の私にとっては全くの無意味になってしまうということだ。  撮影が禁止されていなかったら近くから美しい彫刻の写真を何枚も撮ったのちに手短に切り上げ、 思い出を持ち帰ることができるだろうが、 もし撮影禁止だったら逆に、極彩色の美しい彫刻を、少しでも自分の肉眼で記憶していこうということになり、 そのために結局は長い時間が必要となってしまう。
 私は少しの間考えたが、ゆっくり考えてる暇もなかったので、今回は奥殿の拝観を見送り、 柵の外からの撮影のみとした。
 次の機会があれば入場料を払って奥殿部分をゆっくりと見学したいものだが、 それはいつのことになるやら見当もつかない。


 最後に私は、同じ歓喜院境内にある平和の塔(多宝塔)の方へ歩いて行った。
初回訪問日&撮影日 2016年08月14日

(※国宝建造物撮影ポイント)
奥殿の場所に行くには拝観料700円が必要

@仁王門

明治27年の再建


A聖天堂の拝殿(国宝)


B聖天堂の拝殿(国宝)


C聖天堂の拝殿(国宝)


D聖天堂奥殿の極彩色の彫刻(国宝)

柵の外からだとこれぐらいが限界。 建物下部は入場料をはらって 中に入らないと見ることができない。


E多宝塔

平和の塔とも呼ばれる

アクセス
JR高崎線「熊谷駅」よりあさひバス「太田駅行き」「西小泉駅行き」「妻沼聖天前行き」で約25分、「妻沼聖天前バス停」下車すぐ

駐車場 有

国宝建造物巡礼ドライブ難易度(★★)

(★)・・・・・・・・・・非常に易しい
(★★)・・・・・・・・易しい
(★★★)・・・・・・ふつう
(★★★★)・・・・難しい
(★★★★★)・・非常に難しい

国宝巡礼おすすめアクセス方法
自動車によるアクセスがおすすめ


埼玉県熊谷市妻沼1627

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