空襲や失火などの影響で、江戸時代以前に建立された仏塔の現存数は少ない。　しかしそれでも、江戸４塔のうちで現存する旧寛永寺五重塔や、 池上本門寺五重塔は、共に重要文化財に指定されており見逃せないだろう。　そして同じく池上本門寺に現存する宝塔は、 江戸時代以前に建てられた本格的宝塔形式の建造物として、全国的に見ても極めて現存例が少なく、歴史的価値が高い。
　他に江戸期以前建立の塔は、椿山荘三重塔や、よみうりランド多宝塔などがあるが、 すべて他県から移築されたものである。

仏塔以外の国宝建造物は、国宝としては珍しい明治時代洋風建築の『迎賓館赤坂離宮』と、代表的禅宗様仏殿の 1つである『正福寺地蔵堂』の2件である。

都内には、文化財指定の仏塔や国宝建造物こそ多くないが、無指定の近年に建てられた仏塔が非常に多い。 　そのため、すべての仏塔と国宝建造物をすべて巡ろうと思ったら、かなりの日数を有するだろう。