県内には10数基の仏塔があるが、その大半を、国宝または重要文化財に指定された歴史的価値の高いものが占めている。 　まず、国宝指定された仏塔は、現存最古の多宝塔である石山寺多宝塔と、日本最優作と称えられる 西明寺三重塔、和様で室町前期の代表的存在である常楽寺三重塔の、いずれも日本有数の名塔３基である。　それに続く重要文化財指定の 仏塔は５基あるのだが、その内訳は、延暦寺相輪塔を除いてすべて三重塔である。　県内全ての仏塔を通して見ると、三重塔が多めだが、その代わり古い五重塔は現存していない。
　仏塔以外の国宝建造物も数多い。　都道府県別で見た滋賀県の国宝建造物の件数は、奈良県、京都府に次いで 堂々の３位であり、その内容は、寺院・神社建造物から、国宝４城の一つ彦根城天守まで実に幅広く、 その中でも宝厳寺唐門と、都久夫須麻神社本殿は、琵琶湖に浮かぶ竹生島にあるという、立地的に見て非常に珍しい国宝建造物である。
　県内すべての仏塔、及び国宝建造物を、じっくり見て回るには何日も費やす必要があるだろう。