兵庫県は国宝または重要文化財に指定された仏塔が10基もあり、その指定仏塔の数は京都府、奈良県、愛知県に次いで 第4位である。　その数もさることながら、それ以外に、県指定文化財に指定される江戸期以前の仏塔も数多く、 古い仏塔が多く現存する県として知られる。
　その中でも緩やかなカーブを描く屋根が珍しい『一乗寺三重塔』は、県内唯一の国宝指定の仏塔であり、 京都奈良以外の都道府県では最古の仏塔として非常に価値が高い。
　他に重要文化財指定の仏塔は、 『如意寺三重塔』や『名草神社三重塔』などの三重塔が5基、『徳光院多宝塔』や『酒見寺多宝塔』などの多宝塔が4基あるが、古い五重塔の現存例は無い。

国宝指定の建造物は、『一乗寺三重塔』を含めて11件もあり、県内最古の建造物として 知られる『鶴林寺太子堂』の他、『浄土寺浄土堂』など、歴史的価値が高い寺院建造物が多い。
　寺院建築以外に、『姫路城』は、城内に5件もの 国宝建造物を有し、世界遺産にも登録。　その見た目の迫力も手伝って、文化財的価値は計り知れないものといえる だろう。
　それら仏塔や国宝建造物の数々は、広い県内のあちこちに点在しており、それらすべてを観て回るには、莫大な日数を 要するだろう。